深谷地域労働者福祉協議会からの要請書

更新日:2023年03月27日

深谷地域労働者福祉協議会からの要請書
陳情者名 深谷地域労働者福祉協議会
受付日 令和5年1月12日
陳情内容 2022年度政策・制度要請
1.地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズへの対応
「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」が、令和3年4月1日に施行され、今までのような分野別で縦割りの福祉制度では、受けとめきれない地域住民の複合化・複雑化した支援ニーズに対応するため、「断らない相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」の3つの支援を一体的に行う市町村の新たな事業(重層的支援体制整備事業)が創設されました。
市町村や社会福祉団体による新たな取り組みをつうじて、個人が社会から孤立することを防ぎ、ひいては人と人との関係を再構築することによって、新たな地域社会の実現を目指そうとする今回の社会福祉法改正は、孤独になりがちなコロナ禍の中で、困ったときに助け合うことができる地域共生社会を創るための基盤となる制度です。
本事業は実施を希望する市町村の手あげに基づく任意事業であることから、深谷市において、積極的に事業に取り組まれるようお願いします。

【回答】
本市の基本的な方針としては、包括的な相談窓口として、現行の「生活困窮者自立相談支援窓口」の機能をベースとし、相談者に寄り添う支援を行う「深谷市福祉総合相談窓口(仮称)」の開設を、令和6年4月を目途に準備を進めています。 包括的な相談窓口の開設にあたり、高齢者、障害者、子どもと、それぞれ行政の中で、所管部署が異なるため、どのように連携していったらよいかを「深谷市地域福祉庁内ネットワーク会議」の中で検討してまいりたいと存じます。

2.学校における防災教育の充実
学校における防災教育は、大地震等の自然災害が発生した際、まず自分の身を守るために、危険を予想し回避する能力を児童・生徒に育成することが重要です。
各学校における避難訓練が、訓練のための訓練ではなく、様々な発災場面を想定した、より体験的・実践的な避難訓練となるよう以下の施策の改善をお願いします。
(1)避難訓練の実施時期や回数は、年間を通して季節や社会的行事等との関連、地域の実態を考慮するよう改善をお願いします。
【回答】
避難訓練の実施時期や回数は、各学校で季節や社会的行事等との関連、地域の実態を考慮した上で実施しております。

(2)学校全体のみならず、学級単位や部活動単位で実施することや、地域・家庭と連携して実施されるよう改善をお願いします。
【回答】
地域・家庭との連携を進めておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、地域・家庭と連携した訓練が難しい現状もあります。学級単位や部活動単位での実施については、貴重なご意見として今後の参考にしてまいります。

(3)休憩時間中や清掃中、さらに登下校中の場合なども想定し、災害の発生時間や場所に変化を持たせ、いかなる場合にも安全に対処できるよう改善をお願いします。
【回答】
休憩時間中に実施したり、どの時間で実施するかを伝えずに実施したりするなど、いかなる場合にも安全に対処できるよう改善を図っている学校が増えてきております。

(4)発災時に停電や設備損傷等により一斉放送が使用できないなど、発災場面を想定した訓練となるよう改善をお願いします。
【回答】
一斉放送が使用できない場面を想定した訓練についても、今後実施に向けて検討してまいります。

(5)特別な支援を必要とする児童生徒等が在籍している場合には、その特徴や個別の配慮事項について全教職員で共通理解をはかり、それを想定した訓練となるよう改善をお願いします。
【回答】
特別な支援を必要とする児童生徒等については、その特徴や個別の配慮事項について全教職員で共通理解を図っております。今後その特徴や個別の配慮事項を想定した訓練となるよう実施に向けて検討してまいります。

3.放課後児童クラブの機能強化
放課後児童クラブは、福祉施設の根本的な役割に加え、共働きなどで普段家庭に保護者がいない、小学生を中心とする学齢期の子どもたちの家庭に代わる居場所であり、子どもの豊かな成長の場でもあります。
放課後児童クラブがその役割を十分に果たし、児童の安全と保護者の安心が担保できるよう、以下の施策の充実をお願いします。
(1)厚生労働省令において児童1人当たりの面積は、概ね1.65平方メートル以上と定められています。しかしながら、1.65 平方メートルを満たしていない施設は、県内では支援の単位1,920か所のうち460か所で、全体の24.0%に及んでいます。深谷市においては、概ね1.65平方メートル以上の定めを満たし、児童の生活の場にふさわしい施設となっているか確認いただき、充分でない場合は改善をお願いします。
【回答】
放課後児童クラブの児童1人当たりの専用区画の面積については、「深谷市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例」により、児童1人につきおおむね1.65平方メートル以上と定めております。
また、市内全ての放課後児童クラブにおいて、おおむね1.65平方メートルを満たしており、児童の生活の場としてふさわしい施設となっております。

(2)待機児童や施設の大規模化が進む中で、適正規模である40人を超える支援の単位は、1,920か所のうち667か所で、全体の34.7%に及んでいます。深谷市においては、集団活動を指導できる適正規模である児童数40人以下となっているか確認いただき、適正でない場合は改善するとともに、待機児童解消に向けた改善もお願いします。
【回答】
「深谷市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例」により、一の支援の単位を構成する児童の数は、おおむね40人以下とすると定めております。
市内全ての支援の単位において、おおむね40人以下となっております。

(3)放課後児童支援員は、自己研鑽を必要とする専門的な職種であり、そのために長期的に安定した雇用形態とすることが求められています。また、放課後児童支援員の役割と仕事内容から、運営形態に関わらず、常勤での複数配置が必要です。子どもとの安定的・継続的な関わりを堅持するためにも、深谷市における放課後児童支援員の雇用の安定と処遇の改善ならびに常勤による複数配置の実態を確認いただき、充分でない場合は改善をお願いします。
【回答】
放課後児童支援員の雇用の安定と処遇の改善については、公立公営の放課後児童クラブにおいては、会計年度任用職員を雇用しており、一会計年度毎にはなりますが継続して任用することができ、経験年数によって報酬も昇級しております。また、公立・私立を問わず、放課後児童支援員等処遇改善事業(月額9,000円相当賃金改善)を実施しており、さらに私立の放課後児童クラブには処遇改善等事業補助金などを交付し処遇改善を図っております。
また、放課後児童支援員の常勤による複数配置につきましては、「深谷市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例」により、放課後児童支援員の数は、支援の単位ごとに2人以上とすると定めております。 公立の放課後児童クラブにおいては、常勤の室長及び主任を配置している他、常勤・非常勤の放課後児童支援員を雇用しています。
また、私立の放課後児童クラブにおいては、おおむね常勤の放課後児童支援員を複数配置しており、常勤の放課後児童支援員を複数配置していない放課後児童クラブについても、複数の非常勤の放課後児童支援員を雇用することで、市の条例上の配置基準を満たしており、安定的な運営を図っております。

4.「労働者協同組合」への支援強化
本年10月1日に「労働者協同組合法」が施行されます。今年度、埼玉県では「労働者協同組合の支援」事業として、法の普及啓発と組合設立届出の受理を実施するため、県民向け説明会の開催、移行を検討しているNPO法人向け研修会の開催、市町村職員向け研修会の開催、動画作成、庁内連絡会議の開催、届出事務等が進められています。
当事者団体本部には既に多数の市民より相談や問い合わせが寄せられており、県内でも新たな労働者協同組合の設立やNPO法人等からの移行を検討している団体が現れています。また、長引くコロナ禍において廃業や雇止めが続く中、一般的な求人の枠組みだけでは就労に対する多様なニーズに対応できていない切実な状況もあり、「協同労働」に対する期待が高まっていると考えます。
持続可能で活力ある地域社会の実現のため、法が施行される10月から次年度にかけて、以下の(1)~(4)の項目について早急に検討・実施されますようお願いします。
(1)庁内横断型の職員向け学習会を開催し、多様な市民からの問い合わせへの対応に備える。
(2)広く市民に「協同労働」、「労働者協同組合」の周知・広報を行なう。
(3)関心を持つ市民へのセミナー、個別相談会の開催。
【回答】
(1)から(3)までを一括して回答させていただきます。 埼玉県では、同法について県民の方々に説明会を開催し、周知を図るとともに市町村への研修会の開催など行うとされていることから、今回いただいた要請事項につきましては、今後、国や県及び近隣市町村の動向を注視しながら調査研究を行ってまいります。

(4)事業を立ち上げるための資金の一部助成や空き店舗物件の活用等、具体的な支援。
【回答】
本市では、起業にあたっての補助制度や中心市街地の活性化を目的とした空き店舗補助金を有しておりますが、労働者協働組合を対象としておりません。
今回いただいた要請事項につきましては、国や県及び近隣市町村の動向を注視しながら調査研究を行ってまいります。

5.外国人と共生していく社会づくり
埼玉県における2020年末の在留外国人数は、2019年末に比べ約2,200人増加し約19万8,000人となりました。増加率は鈍化したものの過去最高となり、県人口に占める割合は約2.7%となっています。また、2020年度の県内外国人児童生徒数は約8,500人となり、過去10年間で約2.3倍に増加しています。
今後、少子高齢社会が進むことで本県の日本人人口が減少し、外国人人口の増加傾向が続いた場合には、共に地域に暮らす隣人として、互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きる多文化共生社会の実現に向けた施策が重要となることから、以下の施策について拡充されるようお願いします。
(1)外国人住民が日本で安定して就労し生活していくためには、日本語の習得が必要です。そのためには、今以上の日本語の学習機会の提供、大学や日本語学校などの法人と連携した日本語能力評価基準などの周知・活用、地域のNPOや国際交流協会がボランティアで運営する「日本語教室」のサービスとしての底上げなど、地域のみならず、法人との連携強化による日本語の学習機会の拡充をお願いします。
【回答】
市内には、日本語教室を開催しているボランティア団体があります。 子どもを対象としている教室もあり、日常会話だけでなく、ひらがな・カタカナ・漢字の読み書きなども学習できる環境が整っています。
市といたしましては、このような団体との連携を強化し、日本語教室等の情報を対象の児童・生徒に積極的に周知するとともに、活用の推進を図ってまいります。
【参考】※ボランティア団体名:「深谷にほんごクラブ・深谷こどもにほんごクラブ」 http://www.city.fukaya.saitama.jp/kurashi/sports/syogai_gakusyu/1391043487020.html
※ボランティア団体名:「にほんごHACHI」 http://www.city.fukaya.saitama.jp/kurashi/sports/syogai_gakusyu/1650610382250.html

(2)外国人児童生徒の教育問題は、グローバル人材の育成という観点からも、放置できない問題です。特に外国にルーツを持つ子どもたちは、グローバルな視点を持って社会で活躍できる人材になり得る可能性を秘めています。外国人の子どもと日本人の子どもが、共生していく未来に向けて、外国人の子どもの就学機会の保証ならびに日本語教育の充実、日本語能力が不十分な親への支援、公立義務教育学校の受け入れ体制の整備、加えて、将来の就職を考慮した上級学校への進学支援の拡充をお願いします。
【回答】
外国人の子どもの就学機会の保証につきましては、外国籍の方が市に住民申請を行う際、就学児がいる場合は担当課を紹介し、未就学児が出ないように努めております。
日本語教育の充実といたしましては、県費での日本語指導対応加配校教員が小学校2校、中学校1校に計3名配置されているほか、その他の学校に対しては、市費で日本語指導員を9名配置して、授業中での支援や、授業をしている教室とは別教室できめ細かな個別の指導を行っております。
日本語能力が不十分な親への支援は、国の「GIGAスクール構想」に基づき、深谷市では1人1台タブレット端末が整備され、学校・家庭でタブレットが活用されています。児童生徒はタブレットを家へ持ち帰り、家庭でも活用しているので、その保護者が、児童生徒のタブレットを用いて「音声読み上げ機能」や「多言語翻訳ソフト」を活用することが可能となっております。また、学校での保護者面談等で通訳が必要な場合は、Wi-Fi環境下で教員がタブレット内の多言語通訳ツールで通訳とつながり、説明・相談など保護者への支援を行っております。
進学支援については、学校での多言語通訳ツールを活用した面談を行うなど、 学校での支援を充実させています。また、外国人のための高校進学情報交換会(北 部日本語学習支援連絡会主催、深谷市教育委員会共催)を毎年9月に実施し、高校 進学に関する情報提供と個別相談会を行っています。

(3)外国人が、日本人と同様な健康生活を送るためには、医療・社会保障の観点が重要です。現在、公的年金制度・医療保険制度・介護保険制度に関しては、国籍問わず、原則いずれかの公的制度に加入することになっています。日本に入国してきたばかりの外国人は、日本語の理解が困難な場合も少なくありません。また、収入も少ないなどもあって、公的制度の届出や申告がスムーズに行えず、手続きを放置してしまうこともあります。在留外国人が安心して埼玉県で暮らせるよう公的制度の理解ならびに加入について、積極的に促すようお願いします。
【回答】
市では、公的制度の加入について、母語により説明を受けることが出来るようタ ブレット端末機による多言語通訳サービスを導入しております。
公的制度の届出や申告がスムーズに行えるよう、関係機関等と連携を図り対応し てまいります。

6.難病や長期慢性疾病の患者への支援強化
(1)長期にわたり治療を必要とする難病や長期慢性疾病の患者とその家族が、地域で尊厳を持って生活していけるよう、医療費をはじめとする経済的負担の軽減をはかるとともに、市民への難病・長期慢性疾病に対する理解と対策の周知を進め、福祉サービスの提供、人材の確保と研修の充実、人権教育・啓発の推進をお願いします。
【回答】
難病があるかたの経済的支援として、県が実施する指定難病に係る医療費助成の認定を受けることにより、医療費の一部助成が受けられます。
また、障害者総合支援法の対象となる難病であれば、障害者手帳をお持ちでないかたにつきましてもヘルパーなどの障害福祉サービスを利用することができます。
今後も関係機関と連携し、講演会や研修会などをとおして地域住民や支援者へ難病のかたのみならず、障害のあるかたへの理解や利用できるサービスについて周知啓発してまいります。

(2)就労は難病患者や長期慢性疾病患者にとって、経済的な側面のみならず、社会参加と生きる希望につながるものです。難病患者ならびに長期慢性疾病患者の就労の拡大や就労支援を充実するようお願いします。
【回答】
市では、障害者の就労に関する相談の場所として、「深谷市就労支援センター」を深谷市社会福祉協議会へ委託し、就労に関する相談や雇用先企業の開拓など障害者雇用の拡大に努めています。難病のかたも対象となっておりますので、ご活用いただければと存じます。

7.フードバンク活動への支援強化
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、子ども食堂や生活困窮者等へ食品を届きやすくすることが重要になっており、食品ロス削減をはかりつつ、子ども食堂等に対して食品の提供を行うフードバンクの役割は、従来にも増して大きくなっています。
一方、フードバンクの運営は多くの問題を抱えています。活動に必要な予算の不足、人員不足、事務所・倉庫・配送用車両等のインフラ整備、食品の量と質、人材育成など、その多くは資金で解決できる問題です。
NPO法人フードバンク埼玉においては、新型コロナウイルス感染症の影響から、この2年間の食品の取り扱いが大幅に増加をしており、自組織の努力だけでは対応が厳しくなっている状況にあります。フードバンクが期待される役割を十分に担えるよう、フードバンク団体の基盤強化に向けた支援策を拡充するようお願いします。
【回答】
本市では、深谷市総合計画において「人と自然にやさしいまちづくり」を掲げており、取組方針のひとつとして「ごみの発生を抑制・再利用」を促進しています。
食品ロスを減らすことは、ごみの発生を抑制することに繋がりますので、市ホームページ等において食品ロスを出さないライフスタイルの啓発を行っております。
しかしながら、現時点においては、食品ロス削減推進計画を策定していないことから、フードバンク活動の基盤強化に向けた支援等の計画はございません。今後、県や近隣市町の動向を注視し、調査・研究を行っていきたいと存じます。
なお、深谷市社会福祉協議会では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、家庭の収入減少などにより、生活に困窮している方を対象に、令和2年5月、令和3年の3月と10月にそれぞれ1回、計3回、無料で食料品を配布するフードドライブを実施してまいりました。
市でも市民に対する周知を行うために市ホームページに掲載するなど、支援しております。

(令和5年2月9日)
担当課 協働推進課・福祉政策課・障害福祉課・保育課・商工振興課・環境衛生課・学校教育課

 

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