| 陳情内容 |
1.公務職場が市民の多数である労働者の福祉向上の役割を果たすために
(1)自治体は、雇用・労働条件等の関係諸法令遵守の模範となってください。
【回答】
労働諸法令については、当然のことながら遵守しております。今後も引き続き法令を遵守し、率先して良好な労働環境の整備に努め、民間事業所の手本となるよう努めてまいります。
(2)非正規職員の増加と外部化をせず、恒常的職務については、正規職員を配置してください。
【回答】
自治体の財政状況は厳しく、深谷市においても単純に正規職員を増員することは難しい状況に置かれています。こうした中で、市民ニーズの多様化による行政需要の高まりや社会情勢の変化に柔軟に対応するため、正規職員及び非正規職員を適切に配置し、将来を見据えた効率的な行政運営や組織規模の適正化を図ってまいりたいと考えております。
(3)自治体職員の労働条件については労使交渉・合意を経ることを遵守し、労働組合(職員団体)の権利を不当に侵害しないようにしてください。
【回答】
深谷市としましても、労使合意を基本として、団体交渉を行っております。
2.自治体が地域の賃金・労働条件水準を引き上げる役割を果たすために
(1)会計年度任用職員について次の改善をしてください。
ア)処遇は、正規職員との「均等待遇」を原則にしてください。
イ)基本賃金の最低保障額を月額24万円、日額12,000円、時給1,500円以上にしてください。
ウ)正規職員と同様な昇給制度を上限なしに実施してください。
エ)労基法上保障されなければならない休暇(年次有給休暇、産前産後休暇、育児時間、生理休暇、公民権行使、等)については有給で完全実施してください。
オ)年次有給休暇については、日数加算と繰越しを実施してください。
カ)共済組合・社会保険・労働保険への加入、健康診断などを実施して、地域における雇用・労働環境向上のモデル的存在となるようにしてください。
【回答】
会計年度任用職員の任用制度につきましては、国のマニュアル等を参考として制度設計を行っております。年次有給休暇の日数加算、繰越しを含めた休暇、休業制度につきましても、関係法令に基づき適切に対応しております。
臨時職員等の賃金水準については、随時見直しを行っております。
近年では、平成30年度において、一般事務、幼稚園教諭等の職種において30円から200円の引上げを行いました。また、会計年度任用職員制度への移行にあたっても、20円から50円程度の引上げを行いました。令和5年度におきましても、一般事務、保育士、幼稚園教諭等の職種において13円から24円程度の引上げを行い、また令和6年度におきまして33円から74円程度の引上げを実施いたしました。今後についても、引き続き、埼玉県最低賃金及び経済社会情勢等を踏まえ、職務職責に応じた報酬水準を保てるよう検討してまいります。
昇給(再度任用した際の格付けにおける経験加算)については、職務能力の向上に応じた部分につき行うものですが、同一の職における職務能力の向上は、一定の限度があるものと考え、上限を設けたものでございます。
社会保険については、加入要件を満たす会計年度任用職員はすべて加入しております。次に、労働保険のうち、雇用保険については、加入要件を満たす会計年度任用職員はすべて加入しております。労災保険については、制度上外部庁舎・施設の会計年度任用職員が加入することとなっておりますが、労災保険対象外となる会計年度任用職員についても、市の条例において労災保険と同等の補償を行うこととし、すべての会計年度任用職員が公務災害に係る補償を受けられるようにしております。また、健康診断については、人事院規則の規定に基づき、労働時間が1日4時間以上又は、週20時間以上であって6月以上の任用予定期間又は任期が定められている会計年度任用職員を対象として実施しております。
(2)会計年度任用職員制度の運用にあたっては、国会審議経過、附帯決議の趣旨をいかし、雇用の安定と労働条件向上にとりくんでください。
ア)自治体の業務は常勤の正規職員で担うことを基本に、財政面を優先した非正規化や外部化は行わないでください。
イ)会計年度任用職員制度を活用するにあたっては、勤務実態の見直し、職務の適正な評価にもとづいて、フルタイム職員化を基本にしてください。
ウ)労働契約法の趣旨を反映させた、有期雇用の安定化(17条2項・18条・19条)にむけ、自治体独自に非正規職員の任用に関わる制度を整備してください。
【回答】
自治体の財政状況は厳しく、深谷市においても単純に正規職員を増員することは難しい状況に置かれています。こうした中で、市民ニーズの多様化による行政需要の高まりや社会情勢の変化に柔軟に対応しつつ、正規職員及び非正規職員を適切に配置し、将来を見据えた効率的な行政運営や組織規模の適正化を図ってまいりたいと考えております。
また、会計年度任用職員は、必要に応じて適切な期間の任用を行うこととしており、必要以上に短い期間に区切り任用を反復することのないよう周知しています。また、地方公務員においては、労働契約法が適用除外とされているため、無期労働契約への転換を行うことはできませんが、任用期間が長いことを理由とした雇止めは行わないこととしています。
会計年度任用職員制度につきましては、適宜見直しを行い、今後も適正に運用してまいります。
3.公契約制度の改善で労働者・住民の福祉を向上させ、事業者の経営安定と地域経済の活性化のために
(1)公契約の適正化、公契約条例制定に取り組んでください。
ア)公契約適正化によって次の総合的政策課題を推進してください。
○労働者の雇用、賃金、労働条件の適正化
○企業の経営の安定と技術力の向上・継承
○公共サービスの質の確保・向上
○地元事業者の活用機会の拡大、地域経済の活性化
イ)公契約条例制定にむけて次の取り組みに着手してください。
○公契約条例を制定もしくは制定を検討している自治体が増えています。それらの自治体の取り組みを研究してください。
○公契約条例を研究する組織を自治体内に設けてください。
○公契約条例制定をテーマに、地域団体と懇談する機会を設けてください。
ウ)公契約職場で労働諸法令が遵守されるようにしてください。
○労働諸法令遵守について点検できる仕組みを導入してください。
○労働諸法令の遵守を確認する現場調査を実施してください。
【回答】
公契約適正化に関しては、「技能労働者への適切な賃金水準の確保」が喫緊の課題とされており、国から建設業団体、民間発注者団体及び地方公共団体に対し、適切な価格での契約及び技能労働者への適切な水準の賃金の支払い等について要請されております。
この要請に対して、深谷市では、新労務単価の早期適用、ダンピング受注の排除、法定福利費の適切な支払いと社会保険等への加入徹底に関する指導などに努めています。また、関係法令の遵守についても「入札参加者の遵守事項」として指導に努めております。
なお、工事等の発注に関しては、本市経済の活性化及び市内業者の育成・振興を図る観点から、できる限り市内業者へ優先し発注する方針としております。
公契約条例制定に関しては、現行の労働関係法令において、賃金その他の労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものとされております。
このことから、現状においては、公契約条例の制定は考えておりませんが、引き続き、国及び近隣自治体等の動向把握に努めてまいりたいと考えております。
(2)公共工事に関わる入札・契約制度を改善してください。
ア)技能労働者への適切な賃金の支払、若年入職者の積極的な確保などを目的に設計労務単価が13年連続で引き上げられ、趣旨についても各自治体へ通知されています。
また、公共工事の品質確保の促進に関する法律、建設業法、そして公共工事入札契約適正化法の改正の趣旨に則って次の改善に取り組んでください。
○積算に際して設計労務単価引き上げの目的・根拠を示してください。
○発注者の責任として、受注者に対して適切な価格での下請契約の締結を指導してください。
○設計労務単価の上昇分が技能労働者の賃金に反映されているか調査し、改善履行を徹底してください。
○受注業者から、すべての下請企業との下請契約書の写しを提出してもらい、その中に賃金・法定福利費を明示させてください。
○公共工事入札契約適正化法改正により、発注者としての責任が位置付けられました。どのように実施される予定かお示しください。
○3法改正の趣旨を具体化する方策をお示しください。
イ)すべての対象労働者に建退共証紙を貼付するように徹底してください。
【回答】
深谷市の工事請負等の契約に関しては、労働者の賃金など全ての経費を含んだ総額で締結する総価契約としておりますが、いわゆるダンピング受注を排除するため、最低制限価格制度を導入しております。また、見積能力のないような不良・不適格業者の参入を排除し、併せて談合等の不正行為やダンピング受注の防止を図る観点から、入札に参加しようとする者に対して入札金額見積内訳書の提出を求めております。
下請契約に関しては、「入札参加者の遵守事項」として、建設業法の規定を遵守し適正に行うよう指導するとともに、技能労働者への適切な賃金水準の確保に関連し、「社会保険への加入及び法定福利費の支払いの徹底」について指導を行っているところです。また、法令及び契約約款に沿った範囲で、元請負人に対し施工体制台帳及び下請業者との契約書の写しの提出を求めております。
「建設業者の社会保険未加入業者対策」に関しては、発注者として、社会保険等に加入し、法定福利費を適切に負担する建設業者を確実に契約の相手方とすること等を通じて、公正で健全な競争環境を構築することを目的に、平成29年4月1日から、設計金額が130万円以上の競争入札で執行する建設工事を対象に、社会保険等へ加入していることを入札参加資格条件に追加いたしました。
なお、建設業退職金共済制度については、平成25年度から建退共証紙購入及び貼付状況の確認範囲を契約金額1,000万円以上から500万円以上に拡大しており、当該制度の積極的な活用を推進しております。
(3)業務委託、指定管理に関わる入札・契約制度を改善してください。
公契約下で働く労働者の生活を保障する立場で入札・契約制度を見直し、公契約の適正化に努めてください。
ア)業務委託、指定管理についても、自治体としての予定価格の積算根拠を明確にして入札・契約を実施してください。
○その際に、労働者の雇用、賃金・労働条件の遵法はもちろんのこと、地方自治体の役割である社会的・文化的生活の質の確保が可能となる水準にしてください。
○入札にあたっては、参加事業者からも積算根拠を提出させてください。
○契約後には、自治体側の予定価格・積算根拠、受託業者の積算根拠を公開して、透明性の高い入札・契約制度にしてください。
イ)雇用の安定と、住民サービスの質を確保し、受託業者の経営の安定を図るため、長期継続契約にし、雇用期間は受託契約期間以上となる契約・仕様にしてください。
ウ)受託業者が変更になる場合でも、そこで働く労働者の雇用と既得労働条件が継続される契約書・仕様書にしてください。
エ)「労働省告示37号」に抵触する偽装請負等をなくすための施策を実施してください。
○行政の質向上と業務委託・指定管理における法令遵守に矛盾がある場合は直営化してください。
オ)業務委託・指定管理では、予定価格での適正な賃金の確保など、背景使用者としての位置づけを明確にした積極的な対応に心掛けてください。
カ)令和7年4月22日閣議決定「令和7年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針について」及び中小企業庁「官公需法に基づく「令和7年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」について」に基づき、価格転嫁が適正に行われるようにしてください。
【回答】
業務委託については、業務の履行に必要な期間を適切に設定し、業務内容に応じた業者選定及び積算基準等に基づいた予定価格の算出を適正に行っており、契約においては、当該委託に係る労働者の賃金も含めた契約金総額の支払いを約束する、いわゆる総価契約を行っております。
長期継続契約については、複数年の契約締結により、コスト縮減を図るとともに、より良質なサービスを享受することを目的として、長期継続契約を締結する場合の契約事務の取扱いに関し、必要な事項を定めておりますが、業務の完了又は契約期間の完了をもって、当該契約に係る発注者としての責務はなくなるものと理解しております。
委託契約については、業務内容に応じた契約約款に基づき、発注者は、監督員を定め書面をもって受注者に通知しております。また、受注者は、技術管理者又は現場責任者を定め書面をもって発注者に通知した後に、業務の管理及び統括又は業務の履行に関し指揮監督を行うこととなっておりますことから、受注者管理の下で業務が完了するよう、発注者として適切に監督してまいりたいと考えております。
なお、価格交渉・転嫁については、社会情勢等に応じて、発注者と受注者において契約約款に基づき、適切な対応を行っております。
また、指定管理者制度については、法人等からの業務内容に応じた管理業務に係る事業計画書の提出により、その内容を指定管理者選定委員会で審議し最も適当と認める法人等を候補者として選定しております。また、指定管理料の算定についても、各部署において根拠ある基準により適切な価格を算定し、設定しております。
協定書においては、当該施設管理に係る労働者の賃金も含めた指定管理料で協定を行っております。
指定期間については、指定管理者制度の目的を活かせるよう、競争性の確保、安定した施設管理などを考慮し、指定期間を原則5年としております。
指定管理者制度では、指定管理者から各種報告書の提出を義務付けております。各施設の所管課は、指定管理者制度による効果を検証するため、指定管理者に対して、各種報告書等を求め適切な指示等を行っております。
価格転嫁については、社会情勢及び指定管理者の状況を勘案し、施設所管課で適切な対応を行っております。
今後も管理業務基準書及び基本協定書に基づき、民間活力を取り入れた施設の運営が継続できるよう監督してまいりたいと考えております。
4.自治体業務に関わるシルバー人材センターの活用では、高年齢者雇用安定法を適正に運用してください。
(1)高年齢者の雇用開拓に自治体として取り組み、高年齢者に雇用の場を保障してください。
(2)シルバー人材センターについては、高年齢者雇用安定法の趣旨にもとづいて、就業機会の確保を図ってください。
なお、法の趣旨に逸脱した活用がある場合は是正させてください。自治体の本来業務である、恒常的業務(放課後児童クラブ等学童保育支援・公民館などの公共施設管理など)については臨時・短期・軽易な業務ではありません。労働法令が適用される雇用労働者によって業務を行うべきであり、「高年齢者の経験と能力の発揮と生きがい活動をサポート」を理由に、雇用によらない労働(請負)での発注により最低賃金水準またはそれ以下の配分金(賃金)でシルバー人材センターを活用することは高年齢者の働く権利を侵害するものに他なりません。
【回答】
市の業務の中で、臨時・短期・軽易な業務、具体的には清掃業務、除草業務、施設管理業務など、業務の性質上適切なものについては、市として積極的に活用しており、今後も活用を促します。また、高年齢者雇用安定法の趣旨に則り、適切に業務を発注するよう市内部で周知しております。
(令和7年8月25日)
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更新日:2026年03月28日