熊谷・深谷・寄居地域労働者福祉協議会からの要請書

更新日:2025年05月08日

熊谷・深谷・寄居地域労働者福祉協議会からの要請書
陳情者名 熊谷・深谷・寄居地域労働者福祉協議会
受付日 令和7年1月30日
陳情内容

2024年度政策・制度要請
1.企業における生物多様性保全活動の推進と支援
私たちの暮らしや経済は、生物多様性を基盤とする生態系から得られる恵みによって支えられています。
2022年12月開催の生物多様性条約締約国会議(CBD COP15)では、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が決定されました。同枠組において事業者は、気候変動対策、過剰消費の削減、持続可能な生産、生物多様性への投資等の取り組みを進めることで、ネイチャーポジティブ(自然再興)の推進に寄与することが期待されています。
企業は、企業活動を通じて国内外の生態系に依存していること、また生態系に大きな影響を与えていること、さらに、製品やサービスを通じて消費者とも繋がったり市場を変革したりするという重要な役割を担っています。また、近年、短期的に得られる利益だけではなく、生物多様性配慮を含むESG対応をベースとした持続的成長性への期待が、企業の価値評価へ大きな影響を与えるようになりつつあります。
企業における推進活動を加速させ、その取り組みを評価する観点から、深谷市の様々な事業等の入札・契約において、生物多様性の保全や自然資本の持続的利用等を加点要素とするよう要請します。
【回答】
本市では、競争性、公平性及び透明性を確保するため、原則、一般競争入札を実施しております。生物多様性の保全や自然資本の持続的利用等を加点要素として採用することにつきましては、現時点では導入予定はございませんが、今後、他自治体の採用状況等を注視して参りたいと存じます。

2.適切かつ持続的な医療提供体制の構築
埼玉県の人口10万人当たりの医師数は、全国平均に比べ低い水準にあり、 また、医師の都市部への集中などによる地域偏在や、産科、小児科、救急等を担当する医師が少ないなどの診療科偏在への対応も課題となっています。同様に、看護職員についても、人口10万人当たりでみると全国平均を大きく下回っている状況にあります。将来の医療需要を踏まえ、適切かつ持続的な医療提供体制を構築していくためには、各医療機能に対応できる医療従事者を確保していく必要があります。
また、救急医療体制においては、三次救急医療機関である救命救急センターの数は年々増加していますが、一方で、二次救急医療機関の数はほぼ横ばい、むしろ減少傾向にあることが指摘されており、このことは、高齢者の救急利用の増加、急性な疾患や外傷患者の受け入れにおいて、特定の病院や医師・看護師が過度な負担を強いられていることを意味しています。
市民の誰もが、いつでも必要な医療サービスを安全・安心に受けられるよう、地域偏在と診療科偏在の解消、そのための医師・看護師不足の解消ならびに二次救急医療機関の拡充を要請します。
【回答】
医療従事者の確保につきまして、市では、県北地域の基幹病院である深谷赤十字病院の医師不足解消の一助として、医学生や研修医を対象とした「医師育成奨学金貸与制度」及び「後期研修医研修資金貸与制度」を実施し、医師確保と定着に努めております。
今後は本制度の効果検証を行うとともに、いただいたご要望も参考とさせていただき、本市における地域医療の課題解決に努めてまいります。
救急医療体制につきましては、小児2次救急体制確保のため、埼玉県及び近隣市町とともに「医師派遣支援事業費負担金」を設け、慢性的な小児科医不足状態にある病院に対し派遣を行うなど、医師の確保に努めております。
また、急速な高齢化の進展により、医療や介護の需要が増大することが見込まれる中、埼玉県は効率的で質の高い医療提供体制と地域包括ケアシステムを推進すべく、「埼玉県地域保健医療計画」(第8次)の一部に、地域医療構想を位置付けております。
この構想では、県内をいくつかの区域(二次保健医療圏と同様の設定)に分け、区域ごとの医療需要及び必要病床数を推計しています。必要病床数については、医療の機能分化が進む中、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の機能ごとの必要数を推計し、病床機能に応じた患者を受け入れる体制の構築を目指しています。
そのほか、将来の医療需要を踏まえ、適正な医療提供体制を持続させるためには、医療従事者の確保が不可欠であるため、医療計画の中でもその取組について定めています。
市といたしましては、こうした計画の進捗を注視しつつ、医療提供体制の確保に関して必要な場合には、医療計画に係る協議会等において、要望を申し入れてまいります。

3.学校教育における包括的性教育の推進
現在の学習指導要領の「はどめ規定」の存在により、若い世代の性に関する知識不足や社会全体のジェンダーに対する知識・理解不足に加え、そもそも性に関するリスクからこどもを守る仕組みが手薄になっていると言わざるを得ません。
こどもたちは様々な性の困りごと・悩みを抱いたときにSNSなどに頼っている状況ですが、SNSなどには誤情報が氾濫しており、性感染症や性犯罪、そして性暴力、また予期せぬ妊娠や中絶、デートDVなどに発展してしまうケースも少なくありません。
児童生徒が、「生命(いのち)を大切にする」「加害者にならない」「被害者にならない」「傍観者にならない」ために、発達段階に応じた包括的性教育を実施するよう次の事項を要請します。
(1)学校教育活動全体を通じて「包括的性教育」の実践を図ること。そのための授業時間数の確保や教職員の資質向上及び負担軽減措置を推進すること。
【回答】
各学校においては性に関する全体計画及び年間指導計画を作成し、体育の保健領域(小学校)及び保健体育(中学校)の授業だけでなく、特別活動等の時間の中でも時間数を確保し計画的に指導にあたっております。また、埼玉県においては「性に関する指導者研修会」や「性に関する指導授業研究会」等も開催されているため、積極的な参加について呼びかけているところでございます。授業を行うにあたっての負担軽減については、市内の保健主任会で指導方法や教材を共有しているところでございますが、学校現場の要望に応じながら、今後も「包括的性教育」の充実に努めてまいります。

(2)包括的性教育を実施するための教育現場の環境整備など、多様な学びのための予算の確保を図ること。
【回答】
「包括的性教育」に係る予算といたしましては、毎年度、生理用品を各学校に配布するための予算を確保しております。児童生徒が必要な時にいつでも利用できる環境整備に努めておりますが、その他にも環境整備のために必要な物品等があれば、予算を確保していくことも検討してまいります。

(3)包括的性教育の実施にあたっては、国際的な性教育の指針である「ユネスコ 国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を積極的に用いること。
【回答】
深谷市立小・中学校では学習指導要領に基づき、望ましい人間関係や体の発達など、発達段階に応じた性に関する正しい知識や考え方を身に付けられるよう指導を行っております。また、教育活動全体を通して、互いの人権や自他の生命を尊重する心情を育てており、ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」が示すコンセプトと同様の内容を学んでいるところですが、「性に関する指導」については、学校が、児童生徒の発達段階に応じて特に必要があると判断する場合には、学習指導要領に示されていない内容を加えて指導することも可能とされておりますので、児童生徒の実態を捉え適切な指導内容を検討していくよう今後も学校を指導してまいります。

(4)包括的性教育の実施にあたっては、児童生徒のみならず保護者や地域の方々にも学ぶ機会を提供すること。
【回答】
各学校においては、性教育の内容を「学校だより」や「保健だより」等で、積極的に家庭や地域に周知しております。また、学校保健委員会への積極的な参加の呼びかけや、同委員会の内容を学級懇談会時に伝達するなどして、学ぶ機会の確保に努めております。

(5)包括的性教育の実施にあたっては、産婦人科医や助産師をはじめとする性の専門家を外部講師として積極的に活用すること。
【回答】
性教育に限らず、専門家を積極的に活用することについては、非常に有効であると捉えており、外部人材の活用を促しております。そのため、学校の実態に応じて、産婦人科や助産師を招聘し、講演会等を開催している学校もございます。

4.学校における産婦人科医を活用したヘルスケアの実施
思春期の女子の月経異常等を早期に発見し、適切な相談や治療につなげることは、児童生徒等の健やかな成長の観点から重要な施策です。
思春期の女子の多くは、日常生活で何らかの活動制限などを意識することになり、性のトラブルも含めて、月経に対してネガティブな感情をいだきやすくなります。
また、月経や月経随伴症状で生理的範囲を逸脱した状況や障害・疾病と考える状況が起こることもあり、適切なアドバイスや診療を受けなければ、生涯の健康に甚大な影響を与えることもあります。
しかしながら、月経困難症やダイエット等による無月経、第二次性徴の遅れ、性感染症など、思春期の健康上の問題は学校健康診断では見過ごされているのが現状です。また妊娠の可能性がある場合も、適切なサポートを受けるために早期に相談できる体制を整えることが望まれます。
埼玉県が取り組む「プレコンセプションケア(思春期の将来の妊娠などを踏まえた健康)」に関する相談窓口機能としての体制強化にも繋がることから、中学校ならびに高等学校に産婦人科医を学校医として任用し、ヘルスケアに関する専門的な相談等を実施するよう要請します。
【回答】
産婦人科医を学校医として任用していくためには、財政措置もさることながら人材の確保も課題となります。現状ではヘルスケアに関する相談は主に養護教諭が行っておりますが、今後も学校現場の要望を優先するとともに、他の自治体の状況も鑑みながら、必要に応じて検討を進めてまいります。

5.孤独・孤立者への支援
本年4月1日から「孤独・孤立対策推進法」が施行され、6月11日には、法に基づく重点計画が決定をされました。埼玉県では、既にポータルサイトを立ち上げ、ライフステージ別や悩み別に相談窓口を掲載するとともに、官民連携プラットフォームを設置し、支援のための知恵と資源を出し合う体制が構築されています。
孤独・孤立の状態は、人生のあらゆる段階において誰もが生じ得るものであり、社会のあらゆる分野において孤独・孤立対策の推進を図っていくことが重要です。
今後、「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」、「相互に支え合い、人と人との『つながり』が生まれる社会」を目指し、孤独・孤立対策を着実に推進していくため、次の事項を要請します。
(1)広く市民の孤独・孤立に対する関心を高め、その理解と協力を得るとともに、社会を構成する多様な主体の参加による自主的な活動に資するよう、必要な広報・啓発活動を積極的に行うこと。
【回答】
市では、孤独・孤立への対策を進めていくためには、市民の理解と協力を得ることが重要だと捉えています。このことから、福祉に関する複合的な課題に関する相談窓口である深谷市福祉総合相談窓口(通称「ふくしの窓口」)を中心に、関係機関と連携しながら、市民にわかりやすく情報を発信し、広報・啓発の充実を図ってまいります。

(2)県が進める官民連携プラットフォームについて、孤独や孤立を感じている方と行政とのつながりをさらに強固なものとするために、より身近な圏域でのプラットフォームを展開すること。
【回答】
市は既に県の官民連携プラットフォームの会員となっており、その趣旨を踏まえ、さらなる活用を進めていく考えです。また、孤独や孤立を感じている方にとって、より身近な相談先として、福祉に関する複合的な課題に関する相談窓口である深谷市福祉総合相談窓口(通称「ふくしの窓口」)を中心に、関係機関と連携しながら、課題の解決にむけて取組を進めてまいります。

(3)今後実施する一般市民を担い手とする「つながりサポーター」の養成の促進・普及を積極的に取り組むこと。
【回答】
孤独・孤立問題は、地域全体の理解と協力を得ることが重要であり、専門家ではなく、一般のかたが孤独・孤立問題の知識を身に着け、身近な人をサポートする「つながりサポーター」は、非常に有益な取り組みであると考えています。
このことから、市といたしましても「つながりサポーター」の養成、普及にむけて検討してまいります。

(4)社会構造の変化により家族や地域、職場などにおける人と人との「つながり」の希薄化が指摘される中、見守り・交流の場や居場所を確保し、人と人との「つながり」を実感できる地域づくりを行うこと。
【回答】
地域における「つながり」の希薄化への対応は重要な課題であり、市としても、見守りや交流の場の確保に向けた取組を進めていく必要があると認識しています。このことから、市内様々な団体で実施されている見守りや居場所作りなどの活動に目を向け、支援を必要とする方を効果的につなぐことができるよう、関係機関と連携してまいります。

6.ひとり親家庭への支援
家計の維持とこどもの養育を一人で担い、経済的にも厳しい状況にあるひとり親家庭が、仕事と子育てを両立しながら経済的に自立するとともに、ひとり親家庭のこどもが、心身ともに健やかに成長できるような環境を整備していくことが求められています。
ひとり親家庭への支援については、安心して子育てをしながら経済的に自立をした生活ができるよう、「子育て・生活支援策」、「就業支援策」、「養育費の確保策」、「経済的支援策」の4本柱により施策を推進し、ひとり親家庭の自立の促進に対する支援や、子育て・生活環境の整備を行うよう要請します。
また、支援を必要とするひとり親家庭が必要な支援につながり、自立に向けた適切な支援を受けることができるよう、ワンストップ相談及びプッシュ型支援体制の構築・強化を図るよう要請します。
【回答】
本市においては、子育てを総合的に支援する「第2期深谷市子ども・子育て支援事業計画」(以下、「第2期計画」という。)に基づき、家計の維持とこどもの養育を一人で担い、経済的に厳しい状況にあるひとり親家庭に対し支援をしてまいりました。
第2期計画が令和6年度をもって最終年度となるため、次期計画として令和7年4月を始期とするこども基本法に基づく「深谷市こども計画」を策定いたします。
深谷市こども計画におきましても「ひとり親家庭への支援の充実」を施策のひとつとして掲げており、その支援として児童扶養手当の支給やひとり親家庭等の医療にかかる費用の一部助成等を行っているほか、経済的自立に向けた訓練等にかかる受講料の一部を助成しております。引き続き、各種制度に基づく経済的支援を行うとともに、必要な支援につなぐことができるひとり親家庭に寄り添った相談支援なども実施してまいります。

7.放課後児童クラブの機能強化
(1)「こどもの最善の利益」の視点に立ち、こどもに安全・安心な生活を保障する放課後児童クラブの役割を果たすために、事業の根幹を担う専門性を持った放課後児童支援員が必要です。支援員が自らの仕事を通して、放課後児童クラブの目的・役割を果たすため、次の事項を要請します。
1.放課後児童支援員に求められる専門的な知識と技能に対する社会的合意がはかられること。
2.こどもとの安定的なかかわりが継続できるよう、放課後児童支援員の長期的に安定した雇用が確保されること。
3.放課後児童支援員の勤務時間として、保育時間前後に必要な準備時間が設けられること。
4.専任の放課後児童支援員が常時複数配置され、安全面に配慮して円滑な運営を行えるようにすること。
5.放課後児童支援員が常に自己研鑽に励み、力量を向上させることができるよう研修の機会が保障されること。
【回答】
1.~5.について、一括して回答いたします。
放課後児童支援員は、専門的な知識と技能を有する職種であると認識しており、今後も、社会的合意がはかられるよう、機会を捉えて、働きかけてまいります。
放課後児童支援員の長期的かつ安定した雇用の確保については、公立(直営)学童保育室では、会計年度任用職員を任用しており、条件はありますが、継続雇用を行い、長期的に安定した任用に努めています。
次に、万全な体制で児童を受け入れる観点からも、公立・私立ともに、保育時間前後に必要な準備時間は設け、また、放課後児童支援員の配置については、「深谷市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例」により、放課後児童支援員の数は、支援の単位ごとに2人以上とすると定めております。
公立学童保育室では、常勤の室長及び主任を配置しているほか、常勤・非常勤の放課後児童支援員を雇用しております。また、私立学童クラブでも、おおむね常勤の放課後児童支援員を複数配置しており、常勤の放課後児童支援員を複数配置していない私立学童クラブについても、複数の非常勤の放課後児童支援員を雇用し、配置することで、条例上の配置基準である、支援の単位ごとに2人以上を満たし、安全面に配慮して円滑な運営を図っております。
最後に、市では、放課後児童支援員に対し、受講可能な研修を随時案内しており、研鑽の機会を提供しております。

(2)埼玉県は国の「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」を踏まえ、「埼玉県放課後児童クラブガイドライン」を作成し、埼玉県が目指す放課後児童クラブの望ましい基準を示しています。
しかしながら、埼玉県が毎年実施している「放課後児童クラブの設備及び運営の状況調査結果(調査日令和5年5月1日現在)」によれば、支援の単位の規模40人以下の適正規模である支援の単位は、2,015か所のうち1,232か所で、全体の61.1%でした。また、1つのクラブを複数の支援単位に分ける場合に、支援の単位ごとに壁やパーテーションで区切らずに実施している支援の単位は、2,015か所のうち530か所で、全体の26.3%となっています。
さらに、児童1人あたり設備部分を除いて1.65平方メートル以上の広さが確保されている支援の単位は、2,015か所のうち1,482か所で、全体の73.5%でした。
「待機児童問題」「小1の壁」の解消は喫緊の課題ですが、保護者が安心して就労等ができるようにするとともに、遊びや生活を通じたさまざまな交流や助け合いなどにより、こどもの健全な成長・発達を保障し、その自立を支援する場所である放課後児童クラブは、こどもたちにとって短くない時間を過ごす場であるにも関わらず、居心地のいい場に必ずしもなっていません。
こども集団の規模の上限を超えて大規模化した放課後児童クラブを分割し、複数の「支援の単位」を置く場合や放課後児童クラブを新設する際には、次の要件を満たすよう要請します。
1.生活をおくるうえでの基礎的な単位(生活集団)が、継続的に分けられていること。
2.基礎的な生活をおくる空間、場所、施設・設備が、継続的に分けられていること。
【回答】
「深谷市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例」により、一の支援の単位を構成する児童の数は、おおむね40人以下とすると定めております。市内全ての支援の単位において、おおむね40人以下となっております。
また、放課後児童クラブの児童1人当たりの専用区画の面積についても、同条例により、児童1人につきおおむね1.65平方メートル以上と定めており、市内全ての放課後児童クラブにおいて、おおむね1.65平方メートルを満たしております。市内の放課後児童クラブは、児童にとって、生活をおくる場所として、ふさわしい施設となっております。

8.外国人児童生徒に対する日本語指導・支援体制の充実
言語や宗教、生活等の多様な文化的背景がある外国人児童生徒にとって、将来にわたって我が国に居住し、共生社会の一員として今後の日本を形成する存在であることを前提に、日本における生活の基礎を身に付け、その能力を伸ばし未来を切り拓くことができるよう、日本語教育環境を整備することは重要です。
今後も在留外国人は拡大する見込みであり、日本語指導が必要な外国人児童生徒に対する学校における受入れ体制の充実やきめ細かな日本語指導等の充実を図るため、次の事項を要請します。
(1)外国人のこどもの就学状況が把握されるとともに、就学案内や就学勧奨の徹底により、公立小・中学校等への就学を希望する全ての外国人のこどもが就学することができること。
【回答】
外国人の子どもの就学機会の保証につきましては、外国籍の方が市に住民登録を行う際、就学児がいる場合は担当課を紹介し、未就学児が出ることのないように努めております。

(2)市内すべての公立学校において、充実した日本語指導等を受けることができること。
【回答】
日本語教育の充実といたしましては、県費での日本語指導教員が小学校3校、中学校1校に計3名配置されているほか、その他の学校に対しては、市費で日本語指導員を10名配置して、授業中での支援や、授業をしている教室とは別教室できめ細かな個別の指導を行っております。

(3)日本語指導が必要な全ての児童生徒が希望に応じて高校・大学等に進学して適切な教育を受け、日本社会で自立して生活し、自己実現を図ることができること。
【回答】
進学支援については、学校での多言語通訳ツールを活用した面談を行うなど、学校での支援を充実させています。また、外国人のための高校進学情報交換会(北部日本語学習支援連絡会主催、深谷市教育委員会共催)を毎年9月に実施し、高校進学に関する情報提供と個別相談会を行っています。

(4)外国人児童生徒が快適に学校生活を送るために、とりわけ重要なのは、保護者への情報伝達です。保護者と学校間における円滑なコミュニケーションが図られるよう、保護者に対する取り組みを充実すること。
【回答】
日本語能力が不十分な親への支援は、国の「GIGAスクール構想」に基づき、深谷市では1人1台タブレット端末が整備され、学校・家庭でタブレットが活用されています。児童生徒はタブレットを家へ持ち帰り、家庭でも活用しているため、その保護者が、児童生徒のタブレットを用いて「音声読み上げ機能」や「多言語翻訳ソフト」を活用することが可能となっております。また、学校での保護者面談等で通訳が必要な場合は、Wi-Fi環境下で教員がタブレット内の多言語通訳ツールで通訳とつながり、説明・相談など保護者への支援を行っております。

9.こどもの多様な才能を開花させる「学びのサード・プレイス」の拡充
こどもの多様な好奇心・探究心を全て学校で満たすことは困難であり、また、それらの好奇心や探究心に応え、多様な才能を伸ばす努力は、これまで主に放課後の課外活動(部活動等)や各家庭の努力によって行われてきました。
しかしながら、課外活動や家庭の努力にも限界があり、こども一人ひとりが持つ「個性」「才能」「創造性」を一層伸ばすことのできる居場所が必要です。
学校外の民間事業者・大学・NPO等が中心となって、オンラインも活用した学びのコミュニティ「学びのサード・プレイス」を創出するよう要請します。
【回答】
「学びのサード・プレイス」とは民間事業者やNPO等が学習支援を中心にこどもの居場所づくりに取り組む活動であると認識しております。現在、本市におきまして「学びのサード・プレイス」に取り組む民間事業者等の動きは把握しておりませんが、今後の動向を注視してまいりたいと存じます。

10.労働者協同組合の活用促進
労働者協同組合は、組合員が出資し、それぞれの意見を反映して組合の事業が行われ、組合員自らが事業に従事することを基本原理とする新たな法人組織であり、令和4年10月1日に法施行された以降、令和6年8月20日現在で102法人が設立されています。
引き続き、周知広報等を行うことで、円滑な法律の施行を図るとともに、多様な働き方が可能となる環境整備や多様な雇用機会の創出を行う創意工夫ある地域の取り組みを支援するために、NPO法人とも異なる新たな法人格である労働者協同組合の活用を促進するよう要請します。
【回答】
埼玉県では、同法について県民の方々に説明会を開催し、周知を図るとともに市町村への研修会の開催など行うとされていることから、今回いただいた要請事項につきましては、今後、国や県及び近隣市町村の動向を注視しながら調査研究を行ってまいります。
併せて、国や県からの依頼に基づき周知し、活用の促進を図ってまいります。

11.地域での食育の推進
家族や誰かと共に食事をしながらコミュニケーションを図ることは、食育の原点であり、共食を通じて食の楽しさを実感するだけでなく、食や生活に関する基礎を伝え習得する機会にもなります。また、健全な食生活を営めるよう、主食・主菜・副菜がそろう栄養バランスに優れた日本型食生活を実践することも重要です。
しかしながら、高齢者の一人暮らしが増加し、ひとり親世帯や貧困の状況にあるこどもが一定数存在するなど、様々な家庭環境や生活の多様化により、家族との共食が難しい場合があることから、食育推進の観点から、地域の人々との多世代交流やこども食堂など地域での様々な共食の場づくりを進めるよう要請します。
【回答】
これまで本市では子どもの居場所づくりに取り組む団体の活動の周知や子ども食堂の活動場所として公民館などの公共施設をご利用いただくなど、地域で自発的に活動する団体を側面から支援し、子どもの居場所づくりを推進しやすい環境づくりに取り組んでまいりました。引き続き、団体からのご相談の内容に応じて必要な支援を検討してまいります。

12.多様な食料の提供に向けた円滑な食品アクセスの確保
経済的理由により十分かつ健康的な食事がとれない者等に食品を提供するフードバンクやこども食堂、フードパントリー等の取り組みが広がりを見せています。
一方、こうした取り組みは自立的な活動であるため、地域によってその支援に差がある場合や、同一・近隣地域で発生する規格外農産物や未利用食品などの食品ロスとの連携が十分でないなど、フードチェーンが繋がっていない状況は少なくありません。このように、地域によって食品アクセスの確保に関する現状や課題が異なることから、地域の実情に応じた対策が必要です。
地方公共団体を中心に生産者・食品事業者、フードバンク・こども食堂、社会福祉協議会等の関係者が連携し、地域における円滑な食品アクセスの確保に取り組むよう要請します。
【回答】
本市では、令和6年11月にフードドライブ活動を実施し、ご寄附いただいた食料品を市窓口で生活困窮者等に直接配布するとともに、深谷市社会福祉協議会を通じて市内のこども食堂やフードパントリーにも提供しました。
また、企業や個人からのご寄附も随時受け付けており、いただいた食料品につきましては、深谷市社会福祉協議会と連携しながら食料支援を必要とされるかたに配布しています。
今後も、深谷市社会福祉協議会や関係団体と連携し、こども食堂、フードパントリー等、食料支援などに取り組む団体等の活動を支援してまいります。


(令和7年3月24日)

担当課 契約検査課・福祉政策課・保健センター・保育課・こども青少年課・商工振興課・学校教育課

 

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