深谷地域労働者福祉協議会からの要請書

更新日:2023年03月27日

深谷地域労働者福祉協議会からの要請書
陳情者名 深谷地域労働者福祉協議会
受付日 令和3年1月8日
陳情内容 2020年度政策・制度要請
1.新型コロナウイルス感染症対策の拡充
(1)「医療崩壊」「介護崩壊」を招かぬよう、以下の施策を講じてください。
a.医療機関ならびに介護事業所が使用するマスク・防護服・ゴーグル・グローブ等の資材が、継続的に安定供給できるよう対策を実施してください。

【回答】
これまで市では、主にマスクの不足が深刻化していた時期などに、医療機関や介護事業所に対して、市の備蓄用品や市に寄附いただいたマスク等の配布を行ってまいりました。
現在は、そのような状況も解消されておりますが、今後また供給が滞るような状況が発生した場合には、必要な支援を検討してまいります。

b.医療従事者に対する市民の偏見や差別をなくすため、市民に対する啓発を行ってください。また、風評被害への対策強化・相談窓口の設置を行ってください。

【回答】
市民に対する啓発活動につきましては、市ホームページに継続的に掲載しております市長メッセージを通じて、不確かな情報による風評被害や差別、偏見等が起こらないよう冷静な対応を呼びかけております。
また、風評被害への対策強化・相談窓口の設置につきましては、医療従事者に対する風評被害等の現状や実態を踏まえ、国や県の動向を注視してまいりたいと考えております。

(2)新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う、親の収入低下やアルバイト減少による収入減で、学費支払いが困難となる学生に対し以下の施策を講じてください。
a.家計急変やアルバイトの減少等により、高校、大学等への進学を断念したり退学したりすることがないよう、奨学金制度(給付・貸与)の拡充をはかってください。

【回答】
深谷市では、高等学校等への進学の意志と能力を有しながら経済的な理由により修学が困難な市民のかたを対象として、奨学資金を給与し、有用な人材を育成する制度があります。
県内においては貸与型の奨学資金制度を設けている自治体が多い中、深谷市では返済不要の給付型の奨学資金制度としており、生活困窮世帯の就学促進に寄与しているところでございます。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響で学費等の支払が困難となった学生への支援策といたしましては、日本学生支援機構や埼玉県及び文部科学省において、教育費の一部を給付する制度や奨学金を貸与する制度を設けておりますので、市民の方から相談等があった際には、そちらをご案内させていただいております。

b.新型コロナウイルス禍に伴う奨学金の返済困難者の増加に対応し、深谷市による奨学金返還の軽減・免除制度を創設してください。また、必要な人が漏れなく返還期限の猶予や減額等の支援を受けられるように周知徹底をはかってください。

【回答】
深谷市による、高等学校等に在学する方に対する奨学資金制度は給付型であり、返済不要の制度となっております。
また、大学等に入学する方の保護者への経済的負担を軽減するため、市内金融機関による融資のあっせん及び利子補給を行う「深谷市大学等入学資金融資」のほか、日本政策金融公庫による融資に対する利子補給を行う「深谷市教育資金利子補給金」の制度を設けております。
なお、日本学生支援機構や各大学において実施している奨学金については、各実施主体においてコロナウイルス感染症の影響による家計急変に対応した支援制度を設けているため、直接お問合せいただくようご案内させていただいております。

2.生活困窮者自立支援制度の拡充・体制整備
生活困窮者自立支援法の改正を踏まえて、生活困窮者自立支援制度の着実な発展と支援体制の強化をはかり、誰もが社会的に孤立することなく自立できる支え合いの社会・地域づくりにつなげていくため、以下の施策を講じてください。
(1)努力義務化された就労準備支援事業・家計改善支援事業については、2021年度までの集中的な取り組み期間において、両事業ともに実施できるよう取り組んでください。また、一時生活支援事業、子どもの学習・生活支援事業についても実施に向け取り組んでください。特に、子どもの学習・生活支援事業については、埼玉県が進めるジュニア・アスポート事業を積極的に実施してください。

【回答】
家計改善支援事業は平成29年から実施しております。子どもの学習・生活支援事業は令和2年から市内在学在住の中学生・高校生等を対象に事業の実施を開始したところでございます。このため、小学生支援は、中学生・高校生支援の運営が軌道に乗った後に検討してまいりたいと考えております。また、就労準備支援事業及び一時生活支援事業は、相談内容やニーズ、近隣自治体の状況等を踏まえて、実施について検討してまいります。

(2)深谷市において、保健、医療、住宅、経済など関係部署の緊密な連携による横断的な制度の実施体制を確立してください。特に、今後低年金・無年金の単身高齢者の増加が予想されることから、高齢の生活困窮者に対し、本人の意向を踏まえつつ、健康・居住・就労・家計面等の支援が組み合わせられるよう、支援体制を構築してください。

【回答】
生活困窮者自立支援事業に係る庁内連携会議を毎年開催し、生活困窮者の早期発見や相談者の状況に応じた支援を効果的に行うための体制を整えております。
また、地域包括支援センターと連携し、低年金、無年金の単身高齢者等、生活が困難な高齢者に対し、高齢者福祉サービスを適切に提供していくとともに、老人福祉法に基づく養護老人ホーム等への入所措置を実施します。
今後も関係機関等と連携を図り対応してまいります。

3.子どもの貧困・虐待対策の強化
(1)地域における子どもの生活実態を定期的に調査し、経済的支援を含めた必要な支援を迅速かつ積極的に行うとともに、子どもに対する教育の機会均等を保障してください。

【回答】
地域における子どもの生活実態につきましては、定期的な調査を行う予定はございませんが、「子育て家庭の経済的負担の軽減」や「子どもの貧困対策の推進」を施策として盛り込んだ「第2期深谷市子ども・子育て支援事業計画」を策定し、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」及び「子どもの貧困対策に関する大綱」を踏まえて、子どもの貧困対策を推進しているところです。
子どもの虐待対策としては、要保護児童対策地域協議会を毎月1回開催し関係機関で情報交換と支援内容の協議を行うほか、養育支援訪問事業や4歳、5歳児未就園児家庭訪問事業を実施し、あるいは子ども家庭総合支援拠点や家庭児童相談室を設置するなど、「児童虐待防止法」や「児童福祉法」等を踏まえて、子どもの虐待対策を推進しております。
また、子どもに対する教育の支援については、令和2年4月から生活困窮者自立支援制度に基づく子どもの学習・生活支援事業を様々な事情で学習環境に課題のある中学生・高校生世代を対象に実施しております。
さらに、中学生を対象に地域人材を活用して放課後などの学習機会を提供する「ステップアップレッスン」や、小学4年生を対象に算数の計算を中心とした補習を行う「ふっかちゃん夕焼け計算道場」、小学生を対象に土曜日の教育支援「がんばル~ム」を実施しております。
このほか、深谷市PTA連合会へ活動のための補助金を支出したり、家庭教育だより「まごころ」を発行し回覧したりするなど、様々な取組みを実施しております。
今後も事業を実施している関係各課が連携し、子どもの貧困・虐待対策を推進 してまいります。

(2)「貧困の連鎖」を防止すべく、就学援助制度における準要保護者の対象水準の引き下げを行わず同制度を維持・拡充してください。

【回答】
深谷市における就学援助制度につきましては、事務要綱に基づく認定基準を定めており、これまでと同様に認定基準の見直しは実施せず、援助が必要な児童生徒の保護者に対して必要な援助が適切に実施できるよう努めてまいります。

4.奨学金返還の軽減・免除の制度化
現在、一部の地方自治体で取り組まれている奨学金返還の軽減・免除制度を深谷市においても制度化し、若年勤労者への支援とともに、中小企業における人手不足の解消、優秀な人材の確保、早期離職の防止につなげてください。

【回答】
深谷市においては、教育の機会均等と経済的負担の軽減を図り、教育の振興に資することを目的に、「深谷市大学等入学資金融資制度」及び「教育資金利子補給金制度」として、融資に係る支払利子の一部を補助する制度を設けております。
一方で、ご要望いただいたような奨学金返還の軽減・免除の制度化については、制度利用者に、深谷市内での就職や深谷市への定住という制限を設けることにも繋がりますので、現在のところ、市として実施する考えはありません。

5.持続可能な地域づくりに向けた協同組合への支援強化
労働者協同組合法案は、住民主体の持続可能な地域づくりや就労の自発的創出の促進に期待がされており、全党・全会派の賛同で衆議院に法案提出されています。法案成立後は、速やかに深谷市における「地方創生」や「地域共生社会」等の政策に位置付けるとともに、条例の制定に取り組んでください。また、社会的に排除された人々の就労を通じた社会参加を促進する担い手として、労働者協同組合や社会的企業の果たす役割を重視し、その育成・支援を充実させるとともに、コミュニティにおける就労と事業化を促進するための政策を推進してください。

【回答】
本市における、産業の振興は、「市、事業者、経済関係団体、大学等及び市民が一体となって推進する」との考えのもと、事業主体の種類や事業内容に制限を設けず、広く雇用の創出・安定と勤労者への支援をしております。また、本市におきましても労働者協働組合の今後のあり方につきましては、国や県の取組みなどを注視しながら研究してまいりたいと考えます。

6.平時における防災・減災の対策
(1)将来起こりうる大規模災害に備え、今後の災害対策に必要な被害想定、燃料確保や物流網の維持確保等の課題に対し、消費者ニーズを反映するため、各種審議会等に生協・消費者団体等の意見を反映させてください。

【回答】
市では、様々な規模の災害に対応できるよう平時から食料や物資などの備蓄に努めております。また、災害時に必要となる燃料の確保や物資を輸送するための物流網の確保等につきましては、関係機関と協定を締結するなど対策に努めております。なお、市の災害対策について、ご提案などがございましたら、総務防災課宛にご意見などをお寄せください。

(2)災害時に手助けが必要な高齢者や障害者、外国人などの迅速な避難が優先されるよう、自治体における避難行動要支援者の名簿作成を徹底してください。さらに「避難勧告等に関するガイドライン(2019年3月29日改定)」が実際の避難行動に結びつくよう、通信手段の確保や情報提供のあり方など情報発信に関する総合的な取り組みを強化してください。

【回答】
市では、避難行動要支援者名簿の作成に取り組んでおり、随時、申請をお預かりしております。避難行動要支援者名簿を災害時の避難行動に結びつけるためには、市だけでなく災害時に備え、平時からご本人やご家族による「自助」の取り組みとして、また、自治会や民生委員をはじめ、近隣や周囲の方のご理解と支援を受けた「共助」の取り組みとする必要がございます。
避難行動要支援者名簿の適切な運用には、課題が多い状況でございますことから、引き続き研究してまいります。
次に、災害時の通信手段の確保や情報提供のあり方につきまして、市では、防災行政無線やメール配信サービスなど、複数の手段を用いて災害情報を発信しております。災害情報は、避難行動要支援者をはじめとする各自の情報収集環境の違いに左右されることが多いことから、災害時の通信手段や情報入手方法について、市として使用方法の啓発に取り組んでまいります。

7.フードバンク活動の促進
(1)フードバンクを食品ロスの削減のみならず福祉分野と災害時の食糧支援システムとして積極的に位置づけ、庁内横断的な施策を推進してください。また、生活困窮者支援に関わる行政や様々な民間団体を通じたフードバンク食品の提供や、パントリー設備の整備、食品ロス削減を通じた環境負荷の低減など、福祉・環境政策とも連携した施策を推進してください。

【回答】
市では、生活困窮者自立相談支援事業の委託先NPO法人が実施するフードバンク事業と連携し、生活困窮者に対し食糧支援が行える体制を整備しております。一週間以上の長期に渡り食料が不足する場合は、「彩の国あんしんセーフティ事業」を活用し、担当施設職員とともに相談者宅を訪問し現状を確認し必要な支援を行っております。
また、深谷市社会福祉協議会において、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、生活が困窮して食に困っている家庭を対象に、無料で食品を配布する、「深谷フードドライブ&パントリー」を実施しており、市もこれを支援しております。
次に、環境政策との連携に関しましては、深谷市総合計画の基本施策である「人と自然にやさしいまちづくり」の取組方針のひとつとしてごみの発生を抑制し、再利用を促進しています。
食品ロスを減らすことは、ごみの発生を抑制することにも繋がりますので、市のホームページ等において、食品ロスを出さないライフスタイルの啓発を行っております。
現時点でフードバンク・食品ロス削減等を通じた、ごみ削減への取り組みは実施していませんが、今後、調査・研究を行っていく考えです。
次に、災害時の食糧支援システムとしての位置づけに関しましては、市では、賞味期限の迫った災害用備蓄食料を子ども食堂や生活困窮者向けに提供しております。フードバンクを災害時の食料支援システムとして位置づけることは、ひとつの方法であるとは存じますが、フードバンクが災害時に備え、必要な食料などを長期間にわたり十分確保し、市に提供いただけるのか、多くの課題が想定されることから、今のところ取組を推進する考えはございませんのでご理解をお願いいたします。

 

(2)「食品ロスの削減の推進に関する法律」の施行および「食品ロス削減推進基本計画」(2020年3月31日閣議決定)を踏まえ、フードバンクが継続的・安定的に発展できるよう、フードバンク団体の基盤強化(活動に必要な人件費への補助、事務所・倉庫・配送用車両等のインフラ整備への助成、人材育成など)に向け、支援策を拡充してください。

【回答】
本市では、ごみの発生を抑制する一助として、食品ロスを減らすライフスタイルの啓発を推進しておりますが、フードバンクを通じた食品ロス削減の取り組みは行っておりません。現時点でフードバンク活動に対する財政支援等は考えておりませんが、今後、県や近隣市町の動向を注視し、調査・研究を行っていく考えです。

8.介護者(ケアラー)への支援
家族介護を行う介護者(ケアラー)が孤立しないよう、経済的な問題や身体的・精神的負担、就労など困り事に寄り添う相談体制を整備するとともに、相談員の確保・育成を行ってください。

【回答】
高齢者支援を行ううえで、介護を行う親族等(キーパーソン)の存在はたいへん重要であると考えております。現在、高齢者を介護する介護者(ケアラー)の支援については、地域包括支援センターを中心に行っているところであり、今後も、介護の知識や技術習得等のほか、介護から一時的に解放されるための介護者相互の交流会等を実施し介護者の支援に努めてまいります。
なお、家族介護を必要とするかたは、高齢者のみならず、身体上、精神上の障害または疾病等によるものも考えられ、介護者(ケアラー)の年齢、抱える問題も多様であることから、高齢者福祉部門だけでなく、さまざまな関係機関と連携し支援する体制づくりに努めてまいります。

(令和3年3月17日)
担当課 総務防災課・福祉政策課・生活福祉課・長寿福祉課・保健センター・こども青少年課・商工振興課・環境衛生課・教育総務課・生涯学習スポーツ振興課・学校教育課

 

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