障害者のシンボルマーク

障害のあるかたに配慮した施設であることや、それぞれの障害について分かりやすく表示するため、いろいろなシンボルマークや標示があります。

これらのシンボルマークには、国際的に定められたものや、各障害者団体が独自に提唱しているものもあります。

ところで、障害の中には心臓や腎臓など、外見からは分かりにくい身体内部の機能の障害があります。

このような「内部障害者」は、長時間立っていることがつらいなど、日常の生活に大きな支障があるかたがほとんどですので、外見では分からなくても内部障害のかたが、電車内で「優先席」を利用することもあります。

また、耳が聞こえない、聞こえにくいといった「聴覚」の障害もあります。聴覚障害者(難聴者・中途失聴者・ろう者)は、話し言葉による意思の疎通が難しく、日常の生活で人知れず苦労しています。

さらに、見た目には障害が分からないために、誤解されたり、不利益を受けたり、危険にさらされたりするなど、社会生活の上で多くの不便があります。

このように、外見では障害者であることが分かりにくいかたもたくさん暮らしています。

わたしたち一人ひとりがマナーと思いやりを持って、少しでも暮らしやすい社会をつくりましょう。

マークの名称

障害者のための国際シンボルマーク

関係団体・機関

財団法人日本障害者リハビリテーション協会

マークの概要、使用方法など

 このマークは、障害のある人々が利用できる建築物や公共輸送機関であることを示す、世界共通の国際シンボルマークです。

マークの使用については国際リハビリテーション協会の「使用指針」により定められています。

なお、

このマークは、すべての障害者を対象としたもので、特に車いすを利用する障害者を限定し使用されるものではありません。

このマークの使用や著作権については、

財団法人日本障害者リハビリテーション協会

で管理しています。

マークの名称

盲人のための国際シンボルマーク

関係団体・機関

世界盲人連合

マークの概要、使用方法など

 このマークは、世界盲人連合(WBU)が定めた世界共通の国際シンボルマークです。

 WBUによれば、「このマークを手紙や雑誌の冒頭に、あるいは歩行用に自由に使用してよい。色はすべて青にしなければならない」としています。

 横断歩道で、このマークが付いた歩行者用信号ボタンを見掛けることがあります。この信号機は視覚障害者が安全に渡れるよう、信号時間が長めに調整されています。

マークの名称

聴覚障害者を表示する国際シンボルマーク

関係団体・機関

世界ろう連盟

マークの概要、使用方法など

 このマークは、世界ろう連盟(WFD)が定めた世界共通の国際シンボルマークです。

1980年に一般に紹介されてからは、いくつかの国で定期刊行物やポスターに使用されています。

また、ろう者が通訳その他のサービスを受けられる場所でも使用されています。

マークの名称

聴覚障害者のシンボルマーク(国内:耳マーク)

関係団体・機関

社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会

マークの概要、使用方法など

 このマークは、聴覚障害を示す耳が図案化されたもので、社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会などが提唱しています。

 聴覚障害者は、障害そのものが分かりにくいため「声を掛けたのに返事をしない」などと誤解されたり、不利益や危険にさらされたりするなど、社会生活の上で不安が数知れずあります。

 「聞こえない」ことが相手に分かれば相手はそれなりに気配りをします。目の不自由な人の「白い杖」などと同様に、耳が不自由ですという自己表示が必要ということで考案され、預金通帳、年金証書などに貼って、呼び出しなど聞こえないことへの配慮を求める場合などに使用されています。

マークの名称

「ハート・プラス」マーク

関係団体・機関

特定非営利活動法人ハート・プラスの会

マークの概要、使用方法など

 このマークは、心臓疾患などの内部障害があることを示すシンボルマークで、内部障害者・内臓疾患者の暮らしについて考えるハート・プラスの会が提唱しています。

 身体に「内部障害・内部疾患」というハンディキャップがあっても、外観からは分からないため、まだ社会に十分に理解されていません。電車の中や職場、スーパーなどいろいろな場所で、「つらい、しんどい」と声に出せず我慢している人がいます。そのようなかたがたの存在を視覚的に示し、理解の第一歩とするため広く利用を呼び掛けています。

マークの名称

オストメイトマーク

関係団体・機関

社団法人日本オストミー協会

マークの概要、使用方法など

 このマークは、オストメイト(人工肛門・人工膀胱を保有するかた)を示すシンボルマークで、社団法人日本オストミー協会が提唱しています。

オストメイト対応トイレであることを示すために、トイレの入り口に表示するものです。

なお、「オストメイト対応トイレ」とは、排泄物の処理、腹部の人工肛門周辺皮膚や装具の洗浄などができる配慮がされているトイレです。

マークの名称

身体障害者補助犬(ほじょけん)啓発マーク

関係団体・機関

厚生労働省社会・援護局

マークの概要、使用方法など

 このマークは、補助犬を啓発するために、補助犬を受け入れる店の入り口などに貼るマークです。

 補助犬とは、身体障害者補助犬法で定められた「盲導犬」、「介助犬」、「聴導犬」の3種類を言います。

一般のペットとは異なり、他人にほえないなど補助犬としての能力を認定された犬だけが「補助犬」と名乗れます。不特定多数のかたが利用する施設(デパートや飲食店など)では、受け入れが義務付けられています。

このほかにもさまざまなデザインのシールが、補助犬受け入れの表示マークとして使われています。

マークの名称

身体障害者標識(四つ葉のクローバーマーク)

関係団体・機関

各警察署交通課

マークの概要、使用方法など

 このマークは、肢体不自由者が運転する自動車に貼る標識で、道路交通法に定められています。

 肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されているかたは、その障害が自動車の運転に影響を及ぼす恐れがあるときは、この標識を表示して運転するよう努めなければなりません。

なお、このマークを付けた車両への幅寄せや割り込み行為は禁止されています。

マークの名称

聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)

関係団体・機関

各警察署交通課

マークの概要、使用方法など

 このマークは、政令で定める程度の聴覚障害者が運転する自動車に貼る標識で、道路交通法に定められています。

 政令に定められている程度の聴覚障害のあることを理由に免許に条件を付されているかたは、このマークを必ず表示しなければなりません。

なお、このマークを付けた車両への幅寄せや割り込み行為は禁止されています。