18.青淵澁澤栄一翁を偲ぶ

更新日:2023年03月27日

今までに詠(よ)みました短歌を記し、澁澤翁を偲んでみることに致します。

  • 「慶喜公伝(けいきこうでん)」の自序一万四千字読みつぎ重ね語るに備う
    慶喜公伝は澁澤翁が丹精こめて作った明治維新史の金字塔の一つです。その自序を朗読すると実に気分がさわやかになります。澁澤翁の息づかいが自然に伝わって来るのです。
  • 藍香翁(らんこうおう)の居宅に二千歩「中の家(なかんち)」より栄一通いて論語学べり
    澁澤栄一は、いとこの喜作と共に、尾高惇忠の家に論語などの勉強をする為に通いました。
  • 青淵翁は甥(おい)の舞う獅子団十郎に次ぐ演技なりと村人に言う
    秋祭りに帰郷した澁澤翁は獅子舞を見ることを何よりの楽しみとしました。最後に演技する人を真打(しんう)ちと言いますが、それをつとめたのが甥の治太郎(じたろう)と「前の家(まえんち)」の政太郎(まさたろう)でした。
  • ホフマンの六号輪窯(わがま)は明治末成りて東京駅の赤煉瓦焼きぬ
    東京駅に使用されている煉瓦のおよそ90パーセントは深谷の工場で製造されたのです。
  • 夕顔の花つけし道帰り来ぬ慶喜公揮毫(けいきこうきごう)の「月」を見し宵(よい)
    小泉仲治元深谷市長のお伴(とも)をして「中の家」を訪問、澁澤多歌子さんに見せて頂きました。徳川慶喜公は「月」が大好きだったのです。
  • 篆額(てんがく)の慶喜公に成る巨碑(きょひ)の二基澁澤生(あ)れしわが町に在(あ)り
    下手計の鹿島神社境内の「藍香翁頌徳碑(らんこうおうしょうとくひ)」と矢島の「備前渠開閘碑(びぜんきょかいこうひ)」の篆額(石碑の上部に篆書(てんしょ)で書いた題字)の二つです。ぜひ見て頂きたいですね。
  • 長命の秘訣(ひけつ)は心の持ち方にありと語りぬ澁澤翁は
    澁澤翁は長命の秘訣は、楽しく仕事をすること、おこらぬこと、この二つであると語っています。実業、社会事業、世界平和などに貢献した澁澤精神にあやかろうではありませんか。

〔文・鳥塚惠和男さん/平成17年6月号掲載〕

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