西別府祭祀遺跡・西別府廃寺跡

更新日:2023年03月27日

西別府祭祀遺跡

 熊谷市西別府にある湯殿神社の北側に位置し、幡羅遺跡の北東に隣接しています。現在、湧水はほとんどありませんが、古代は滾々と水の湧く場所で、神聖視されていました。

 幡羅遺跡が出現する7世紀後半には、加工のし易い滑石製模造品を使った祭祀が行われ、その後も呪術的な記号や願文を記した墨書土器が出土することから、少なくとも11世紀までは湧水点での祭祀が行われていたと考えられます。

 祭祀に関する遺物は、7世紀の段階には石製模倣品、それ以降は墨書土器が出土しています。墨書土器には人名などを記したものの他、呪術的な特殊記号や願文などがみられ、祭祀行為が行われていたことを窺うことができます。

 各地で調査されている古代の祭祀跡からは、木製の斎串や人形などが出土する例が多くありますが、現在のところ、西別府祭祀遺跡からの出土はありません。しかし、今後の調査で、これらの木製祭祀具が出土するかも知れません。

西別府廃寺跡

 熊谷市西別府にあり、幡羅遺跡の東に隣接しています。多量の瓦と基壇建物跡、区画溝などが確認され、古代寺院跡であることが分かりました。出土した瓦から、8世紀初頭の建立と考えられます。9世紀後半までは寺院として存続していたことが分かっています。また、周辺から出土した遺物から、11世紀までは宗教活動が行われていたと思われます。

 郡家に隣接して古代寺院が造営される事例は多く、郡司が深く関与した寺院と考えられています。

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