備前渠用水路が「世界かんがい施設遺産」に登録されました

更新日:2023年03月27日

本庄市、深谷市、熊谷市を流れる農業用水路「備前渠用水路」が令和2年12月8日にWeb会議で開催された国際かんがい排水委員会(ICID)国際執行理事会において、「世界かんがい施設遺産」として登録されました。 日本国内では、これまで39施設が登録されており、埼玉県内では見沼代用水に続いて2施設目の登録となります。

素掘水路
備前渠鉄橋

世界かんがい施設遺産とは

世界かんがい施設遺産とは、かんがいの歴史・発展を明らかにし、理解醸成を図るとともに、かんがい施設の適切な保全に資することを目的に、建設から100年以上経過し、かんがい農業の発展に貢献したもの、卓越した技術により建設されたもの等、歴史的・技術的・社会的価値のあるかんがい施設を国際かんがい排水委員会(ICID)が登録・表彰する制度です。

備前渠用水路とは

備前渠用水路は、利根川から取水し、埼玉県北部の本庄市、深谷市、熊谷市を流れ、利根川右岸約1,400haの水田に用水を供給する延長約23Kmの農業用水路です。1604年に江戸幕府代官頭の伊奈備前守忠次により1年間という短期間で開削された埼玉県で最古級の用水路で伊奈備前守の官名から「備前堀」の愛称で親しまれています。 用水路は、水量や地形を丹念に踏査して築造されていますが、小山川の河道を一部利用して流水を貯留する溜井方式の矢島堰を設け、堰上流地域の排水も利用する効率的な施設計画で当時の最先端技術である関東流(伊奈流)の水利技術が用いられています。末流は福川に合流し、中川水系の北河原用水や羽生領用水につながり、山地水源を持たない埼玉県南東部地域の水田の貴重な水源としても寄与しています。 用水路の開削から約400年を経過した現在も同じ流路で素掘水路区間が多く残っており、開削当時の面影を今に伝える歴史的にも貴重な用水路となっています。また、地下水の涵養、農村景観の維持、生態系の保全、洪水の防止などの多面的機能を有しています。

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