「連合埼玉」熊谷・深谷・寄居地域協議会からの要請書

更新日:2023年03月27日

「連合埼玉」熊谷・深谷・寄居地域協議会からの要請書
陳情者名 「連合埼玉」熊谷・深谷・寄居地域協議会
受付日 平成29年12月18日
陳情内容 要請書 深谷市民の生活安定・向上のために、日々市政の運営に全力で取り組まれている市長に心より敬意を表します。
また、私ども「連合埼玉」熊谷・深谷・寄居地域協議会の活動に対して、日頃より深いご理解とご協力を賜り厚く御礼を申し上げます。
さて、私たち「連合埼玉」熊谷・深谷・寄居地域協議会では、「安全・安心な地域社会」の実現を目指す取り組みとして、市政への政策制度改善要請項目を以下のようにまとめました。
本要請は、地域に働く労働者の生活の向上から、地域社会の活性化をはかり、住みよい「まちづくり」に繋げていく。そこからさらに安心安全な地域社会の確立に向けた政策制度事項であります。また、傘下組合の組合員の確認を得ながら、まとめたものであります。
つきましては、本要請を深谷市の行政に十分反映され、更に市政が発展、拡充されることを期待し要請を致します。
(要請項目 8分野 18項目)

1.総合経済・産業政策
(1)市・町民の住環境改善のため、住宅リフォームに対する助成制度を拡充すること。
<要請の根拠>
住生活・住環境に関する課題は、居住者の少子高齢化や二・三世代同居とユニバーサルデザイン化、空き家対策と中古住宅の流通、省エネ対策など、多岐にわたっている。
これらの課題に対応するためには、行政独自の住宅面からの支援を積極的に進めていくべきであり、住生活・住環境に関する課題解消策として、住宅リフォームに対する行政独自の助成制度の拡充が必要と考える。

【回答】
本市では、高齢者の自宅内での転倒等を防止し、住み慣れた地域でいつまでも安全に生活できるようにすることを目的とした、住宅改修費用への一部補助や、既存建築物の耐震化を促進するため、耐震診断や耐震改修に対する一部補助、住宅における新エネルギー及び省エネルギーの普及を促進し、地球温暖化対策を推進することを目的とした設備設置への一部補助を行っています。

(2)空き家の有効活用と定住人口の増加をはかるため、空き家バンクに登録する空き家利用者ならびに空き家所有者に、空き家の購入費およびリフォーム工事費の一部を補助する制度を創設(拡充)すること。
<要請の根拠>
2014年11月に議員立法により「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が成立し、2015年5月26日に全面施行された。法では、第一義的には所有者等に空き家等の適切な管理責任があるとしながら、空き家等対策計画の作成およびこれにもとづく空き家等に関する対策の実施等について、住民に最も身近な行政主体であり、個別の空き家の状況を把握する立場にある市町村の責務としている。
また、建物の継続利用や再構築の推進および住み替えの促進による空き家等の有効活用は、地方の人口減少を抑制するためにも重要な施策であり、空き家バンク登録者を対象とした補助金制度の創設(拡充)は必要と考える。

【回答】
個人の財産である空き家への補助は、個人の資産形成につながることもあり、公平性の観点から慎重に検討する必要があるため、現時点では、新たに空き家に対する補助金制度の創設を行う予定はございません。
今後とも、深谷市空き家利活用ネットワーク制度の周知を図るなど、空き家の利活用の促進に努めてまいります。

(3)様々な実施主体による公共サービスも含め、地方自治体の責任において、必要とする住民に過不足なく質の高い公共サービスが提供されるよう、公共サービス基本条例を制定し、公共サービスの基盤整備と質の向上をはかること。
<要請の根拠>
公共サービスは、住民ニーズに応じたサービスの提供が必要であり、都市部に必要なサービス、農村部に必要なサービスなど、地域ごとに異なるニーズ、意識をどう合意形成していくかが大切である。今後、少子高齢社会・人口減少社会が進むにしたがって、公共サービスの重要性はさらに高まっていく。
現在も各自治体において、公共サービスの基盤整備が進められていることは認識しているが、質のさらなる向上をはかるためには、公共サービス基本法にもとづく公共サービス基本条例の制定が必要である。

【回答】
公共サービスは、市民生活の基盤となるものであり、公共サービスの提供を通じて市民が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるよう市政運営を行っております。本市としては、公共サービス基本法に掲げられる考え方を実現するため、市長対話会を積極的に開催するとともに、行政評価制度を実施し、継続的な事務事業の見直しに努めております。これは、限られた経営資源の中で中長期的な観点も踏まえ、次世代への責任として市民ニーズを最大限に満たすための取組姿勢であり、こうした考え方は、公共サービス基本法を踏まえたものです。そのため、今後とも本市においては、この法律に定められた考え方に基づき公共サービスを提供してまいりたいと考えており、現時点においては、条例を定めることは考えておりません。

(4)公契約の下で働く者の適正な労働条件の確保および質の高い公共サービスの提供など、公契約の適正化をはかるため公契約条例を制定すること。
<要請の根拠>
民間事業者と契約を締結しておこなう公共工事や庁舎の維持管理業務においては、成果の適正な品質を確保するとともに、適正な契約価格により限られた財源を効率的に活用することが重要である。
また、契約締結の前提となる入札については、手続の透明性、競争性を確保するとともに、公契約の当事者として適切であるよう、落札業者において各種法令の遵守が求められ、自治体からのその働きかけが行われていると認識する。
しかし、公共工事設計労務単価が引き上げられているにもかかわらず、中小・小規模事業者や現場で働く建設職人の単価や賃金が上がっていない実態も見受けられ、当該自治体に在住する労働者の生活向上のためにも必要である。

【回答】
公契約適正化に関しては、「技能労働者への適切な賃金水準の確保」が喫緊の課題とされており、国から建設業団体、民間発注者団体及び地方公共団体に対し、適切な価格での契約及び技能労働者への適切な水準の賃金の支払い等について要請があったところです。
この要請を受け、本市では、新労務単価の早期適用、ダンピング受注の排除、法定福利費の適切な支払いと社会保険等への加入徹底に関する指導などに努めております。また、関係法令の遵守についても「入札参加者の遵守事項」として指導に努めております。
公契約条例については、国においてILO第94号条約を批准しておりません。
また、現行の労働関係法令において、賃金その他の労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものとされております。このため、現状においては、公契約条例の制定は考えておりませんが、国、近隣自治体及び先行自治体の動向の把握に努めてまいりたいと考えております。

2.雇用労働政策
(1)国、学校、特に労使団体等との連携を強化し、すべての高校生が労働法等の働く者の権利と義務、税や社会保険の仕組みに関する基本的な知識を学ぶ機会を拡充すること。
<要請の根拠>
若者の労働問題の発生や早期離職を食い止めるために、学生、若者が就職する前やアルバイトをする際に、労働法、ワークルール、社会保険の仕組み等に関する基礎的な知識を身につけておくことは極めて重要である。連合埼玉が大学・短大・専門学校を訪問した際に、アルバイト先でのトラブルに関する相談や、就職活動をしている学生からの賃金に関する問合せがあり、学校も学生も関心が高いことを確認している。
高校生においては、進学する場合でも進学後すぐにアルバイトを始めるケースも多くあることをふまえれば、就職する生徒の多い学校に限らず、すべての高校が“生徒の学ぶ機会”を設定するよう促し、さらには、現場をよく知る労使の関係者が直接教えることが有効と考える。

【回答】
高校生に対する労働法や税に関する教育としては、現在、国や学校において、労働法に関する教育プログラムや租税教育などが実施されております。
本市としても、国・県・関係機関等と連携し、広く一般に対する労働セミナーの開催や啓発活動などを通じて、若者に対してもそれらを学ぶ機会を提供できるよう努めてまいります。

(2)障がいのある人が、地域で自立した生活を送ることができるよう、障がい者の雇用の促進と職業の安定をはかるため、障がい者雇用促進等と就労支援に関する条例を制定し、県および市町村と取引関係のある事業主に対し障がい者雇用率達成にむけた支援をおこなうこと。
<要請の根拠>
障がい者に対する雇用での差別の禁止や障がい者が働くうえでの支障を改善する合理的配慮義務等の「障害者雇用促進法」が2016年4月に改正された。また法定雇用率も2018年4月および2021年3月末までのいずれかの時期で段階的に引き上がる予定となっている。
埼玉県内に本社がある民間企業の実雇用率は、昨年6月現在で1.93%であり全国平均を上回っているが、法定雇用率を達成している企業の割合は49%と約半数である。障がい者が安心して働けるように、法定雇用率の達成に向けた取り組みが必要である。そのために埼玉県(市町村)と取引関係(契約・補助金・公の指定管理)にある事業者に対し、法定雇用率の達成に向けた取り組みへ誘導および支援をするための条例を制定する必要がある。

【回答】
障害のある方の就労機会の拡大を図るため、障害者就労支援センターを設置し、障害のある方やその家族からの相談に対応する他、必要な情報提供や助言を行い、就労関係機関と連携しながら障害のある方の一般就労を支援しております。
また、国等の機関と連携しながら「障害者の雇用の促進等に関する法律」の趣旨が浸透するよう、啓発等を行っていきたいと考えます。
市と取引関係にある事業者に対し、法定雇用率の達成を誘導、支援する条例を制定することは現在のところ考えておりませんが、今後も、障害のある方が地域で自立した生活を送ることができるよう、引き続き就労支援を実施してまいります。

(3)女性の活躍を推進するため、以下の施策を実施すること。
a.女性活躍推進施策を議論するための協議会を設置すること。
既に協議会を設置している場合には、労働者の代表を委員として加え、働くものの意見を施策に反映できるようにすること。
b.該当区域内の事業主の行動計画に関する情報を収集し、300人以下の事業主も含めた一般事業主行動計画の計画策定状況、とりわけ男女の賃金の差異の状況、非正規労働者に対する取り組みの情報などを把握、公表すること。
<要請の根拠>
a.女性活躍推進法では第23条に基づき、協議会を設置できるとしている。地域の各主体が連携をはかりながら推進施策を計画、実行していくこと、および、その中で職場の女性課題を解決するために働くものの意見を反映することは極めて重要である。
b.地域における女性活躍を進めるためには、地方自治体も事業主に対して積極的に働きかけていくことが有効である。特に、本文記載の重要項目については、計画策定が努力義務である300人以下の事業主に対しても把握、公表を求めていくことで地域全体の女性活躍推進が進展するものと考える。

【回答】
a.本市では、現在、平成30年度から平成34年度を計画期間とする第3次深谷市男女共同参画プランの策定に取り組んでおり、女性活躍推進法に基づく市町村計画である「女性活躍推進計画」も併せて策定しているところです。策定に当たっては、すでに設置している深谷市男女共同参画会議においてご協議いただきました。なお、参画会議の委員として、深谷商工会議所、深谷青年会議所、深谷工業連絡会などの団体からも参画いただいております。また、市民アンケートのほか、事業所へのアンケートも実施しており、働く方の意見も反映しているものと考えております。
b.一般事業主行動計画の策定については、国の機関が管轄しており、各情報の収集・把握は労働行政機関において行われております。また、男女の賃金の差異の状況や、非正規労働者に対する取組などの各事業所の情報の公表については、事業主が必要に応じて把握し、適切と認めるものを公表することとされており、市が独自に把握・公表することは難しいものと考えます。
本市においては、女性活躍の推進に向け、300人以下の事業所も含め、事業主へ女性活躍推進法の趣旨について啓発してまいります。

3.福祉・社会保障政策
(1)育児、介護、障がい、貧困など、同時に2つ以上の問題に直面する家庭での複雑化した課題の解決に向け、包括的・総合的な相談支援体制を構築すること。
<要請の根拠>
育児、介護、障がい、貧困などの問題を複数同時に抱えている家庭では、その福祉ニーズは複合化・複雑化している。相談者が抱える複数の問題に対し、それぞれの相談機関に回る手間を省くため、複合化・複雑化したニーズを的確にとらえ、包括的・総合的に相談できる支援体制(窓口等)を市町村に設置する必要がある。

【回答】
育児、介護、障害、貧困などの複数の課題を抱える家庭に対して、既に関係部署と連携した支援を行っております。
例えば、生活困窮者の自立支援においては、相談内容に応じて児童福祉や高齢者福祉などの担当部署に同行したり、組織を横断した連携会議を定期的に開催するなど関係部署と連携した支援を行っており、他の部署においても同様の連携支援体制をとっております。
今後も、関係部署や機関との連携を十分に行い、複数の課題の解決に向けた支援に努めてまいります。

4.交通政策
(1)運転免許証自主返納者への対応として、高齢者の日常生活に支障をきたすことの無いよう、生活実態に応じた公共交通網の整備をおこなうこと。
<要請の根拠>
近年、高齢者の免許証自主返納が推進され、2015年には全国で28万人を超える人が自主返納をおこなった。一方で、自主返納を検討していても、買い物、仕事、通院等生活に直結する目的で運転している人は代替交通手段が確実に確保できないと返納をためらうこととなる。特に当県北地域における一戸当たりの自家用車の保有率を考えると、これまでのマイカー移動からの転換から、より活用しやすい公共交通網が必要とされる。

【回答】
深谷市は公共交通の一環として、コミュニティバス「くるリン」を運行しています。
定時定路線バスに加え、高齢者や免許を持たない一人暮らしの方等、交通弱者の普段使いの足として広く活用いただくため、自治会毎に数か所のバス乗降場を設け、利用者が目的地を自由に設定できるデマンドバス(予約型バス)を市内全域で運行しております。
今後、運転免許の返納を検討される方も利用できるバスであり、マイカーの代わりにご利用いただけます。
運転免許返納者については、平成28年4月から運賃を5割引するサービスも導入しております。

5.消費者政策
(1)消費者が環境や社会に配慮した製品やサービスを選んで消費することにつながるよう、消費者に対する「エシカル消費」についての消費者教育、広報活動を強化すること。
<要請の根拠>
環境問題に対しては、北米の「プロダクトスチュワードシップ」の観点から、3R(Reduce、Reuse、Recycle)の推進や、より環境性能の高い製品を選ぶ、また、責任を持って製品の廃棄をおこなうといった、消費者のより積極的な関与の強化が求められている。また、他にも「食品ロス」の削減や「食の安全」の推進など社会的課題に対する対応や解決に向けては、消費者の行動によるところが大きくなっている。
持続可能な消費活動のためには、地球環境保全や社会的課題に対する対応を前提とした消費行動である「エシカル消費」について、消費者が理解をし、個々の消費行動に反映しなければならず、そのためには、消費者に対してライフステージに応じた幅広い消費者教育を実施する必要がある。

【回答】
本市では、リサイクル製品の購入、低燃費車両の購入、LED電球への交換、地産地消など、エシカル消費を実施しております。今後も消費者のライフステージに応じた幅広い消費者教育、広報活動に努めてまいりたいと考えております。

(2)消費者の悪質クレームや暴力が発生しないよう、人権尊重と倫理的な行動を取る消費者行動の啓発活動を推進するとともに、消費者への教育をすること。
<要請の根拠>
接客業等においては、消費者からの苦情については適切に対処される必要があるものの、長時間の拘束や、土下座による謝罪請求、人格を否定する暴言、威嚇・居座りなど、一般常識を超えた、いわゆる悪質クレームが働く者に大きなストレスを与えており、深刻な問題となっている。
「消費者教育の推進に関する法律」が制定され、消費者の保護や自立を目的とした消費者教育は実施されているが、一方で、悪質クレームの発生を抑止しうる倫理的消費行動を喚起する教育がおこなわれていない。消費者教育のなかで、いわゆる悪質クレームの事例共有や、ポスターなどによる広報等、啓発活動の推進が必要である。

【回答】
本市では、市民の皆様が自主的に開く勉強会や研究会などの場に講師を派遣する「まごころ出張講座」や、生涯学習、ボランティア活動への理解を深めるための「ふかや市民大学」において消費生活講座などを実施しております。消費者教育の推進に関する法律に基づき、消費者の保護や自立の啓発を行うとともに、市広報、市ホームページ等においても周知・啓発活動を実施しております。
このような活動の中で、いわゆる悪質クレームの事例共有や啓発活動の推進に努めてまいりたいと考えております。

6.防災・減災政策
(1)自然災害などで建設する応急仮設住宅は木造での建設を優先的におこなうこと。
<要請の根拠>
東日本大震災では53,013棟の仮設住宅が建設されたが、そのほとんどがプレハブでの建設であったが、福島県においては、地元業者と県産材の活用を条件として応急仮設木造住宅約4,000戸が建設された。また、熊本地震においては、4,303戸が建設され、建設総数に占める木造比率は15%(683戸)となっている。
木造の仮設住宅は、約2週間で完成するプレハブ仮設住宅に比べ、約3週間と早さでは劣るものの、その居住性は大きく上回っており、また、費用としても、プレハブ仮設住宅が1戸あたり約700万の費用がかかっているのに対して、木造仮設住宅は約450万で建設ができるとされており、また、恒久住宅への転用も可能とメリットが大きい。さらに、地元業者の活用、県産材の活用につながる可能性もある。
県内において、大規模災害が発生した際には、迅速さが最優先されるものとは考えるが、近年では仮設住宅での住居期間が長期化する例も多いため、木造での仮設住宅を優先する必要がある。

【回答】
応急仮設住宅の設置については、深谷市地域防災計画の『建物の構造及び規模』において定めており、建物の構造、規模、設置予定数及び単位並びに建設完了予定日数、供与期間等は、災害救助法を適用した場合に準じて行うこととしております。設置基準としては、災害発生の日から20日以内に着工することとし、形式については、迅速さを優先し、軽量鉄骨組立式としております。
しかし、平成28年度に『深谷市有施設の木造化・木質化等に関する方針』を定めておりますので、災害の規模、状況等により利用者に配慮した適切な仮設住宅を検討してまいりたいと考えております。

7.教育・子育て政策
(1)2年連続(2015、2016年)埼玉県人事委員会による「人事管理に関する報告」で言及された、教育職員の勤務時間の把握、負担軽減に向けた対策を進め、教育職員がワークライフバランスのとれた働き方ができ、それぞれが持っている能力を発揮し、生き生きと児童・生徒と触れ合うことのできる労働環境を作ること。
<要請の根拠>
埼玉県人事委員会による「人事管理に関する報告」によると2015年には「教育職員の勤務状況の把握」、2016年には「教職員の勤務の負担軽減に向けた対策」を進めていくこととの記載がある。また、2017年4月に文部科学省が発表した「教員勤務実態調査」でも中学教諭の約6割が、厚生労働省の「過労死ライン」(残業が月80時間超)に該当する長時間労働であることから、教育職員の勤務時間の把握により負担軽減につなげていくことは喫緊の課題である。

【回答】
市教育委員会は、これまでも、総合的校務支援システムの構築やICT機器の整備等による物的支援、学校総合支援員や教科支援エキスパート等の配置による人的支援などにより、教職員が子どもと向き合う時間の確保と、教職員自身の負担軽減に取り組んでまいりました。
また、学校における負担軽減検討委員会や市内校長会議などにおける協議を進め、管理職による教職員一人一人の勤務実態把握に努めるとともに、各学校におけるノー残業デーの設定や県が提唱する「ふれあいデー」の実施を推進してまいりました。今後は、夏季休業中における「日直を置かない日」の設定や日々の具体的な業務の負担軽減を行うなど、教職員の負担軽減を図ってまいります。

(2)児童・生徒が重大事件に巻き込まれることなく、学校および地域社会で心身ともに安心して生活が送れるよう、以下の体制を再構築すること。
a.学校の相談体制を拡充・充実させるため、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、スチューデントサポーター、さわやか相談員、教職員等の連携を密にし、子どもたちや保護者を支援する体制を再構築すること。
b.地域社会においては、要保護児童対策地域協議会で児童相談所、保健所、警察、教育委員会、学校などの関係機関が情報共有をはかり、重大事件に発展する前に対策を打つ体制を再構築すること。
<要請の根拠>
2015年2月に川崎市で中学生が、2016年8月には埼玉県東松山市で少年が重大犯罪に巻き込まれる事件が発生してしまった。学校や地域社会で、こうした犯罪防止の体制が構築されていると思うが、今一度「他人事ではない自分事」として、関係者および関係機関が2度と同じような犯罪を自分の周りで起こさせないという意識を再認識する必要がある。

【回答】
a.市教育委員会では、これまでも、深谷市立教育研究所を核として、保護者や子どもたちの様々なニーズに応えるべく、教育相談体制を構築し運用してまいりました。
この深谷市独自の教育相談体制を支えるために、学校福祉相談員やスクールソーシャルワーカー、専門員等を配置し、各小中学校の教育相談主任や特別支援コーディネーター、教育相談員対象の研修を年間5回以上開催するなどして、その充実を図ってまいりました。
また、重大事案を未然に防止するという観点からも、学校と教育研究所が主体となって、警察や児童相談所との連携を図り、ケース会議やいじめ防止等対策会議を開催することにより、学校、行政、関係機関が一体となった支援体制の構築と運用に努めております。
b.要保護児童対策地域協議会では、実務者会議については毎月、個別ケース会議については適宜、実施しております。庁内の関係各課の他、児童相談所、保健所、警察、教育委員会、学校、主任児童委員などの関係機関と日々情報共有をはかり、ともに対応を行っております。

(3)義務教育での学校給食費無料化を進めること。
<要請の根拠>
2017年4月現在、全国で60の市町村で給食の無料化を実施している。さらに、無料化までにはいたらないが、給食費の一部助成や第3子以降は無料などと条件はありつつも、保護者の負担軽減に取り組んでいる市町は、埼玉県内9市町確認されている。(いずれも連合埼玉調べ)全国的にも学校給食の無料化の流れは大きなものとなっており、埼玉県および県内市町村においても子ども・子育て支援、保護者の教育費用負担の軽減のため、学校給食の無料化を進める必要がある。

【回答】
学校給食に係る経費負担については、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費や人件費などは学校の設置者負担とし、その他の食材費は保護者の負担とすると、学校給食法に規定されていることから、食材費については、給食費として保護者の方にご負担いただきたいと考えております。
なお、経済的援助が必要な家庭に対しては就学援助制度を案内し、認定された方については市で給食費を負担しております。

(4)「子ども食堂」の開設・運営にかかる費用負担を軽減するため、公的施設を会場として提供する等の支援制度や、運営費の一部を負担する助成制度を創設すること。
<要請の根拠>
厚生労働省の調査によると、2015年段階で子どもの相対的貧困率は13.9%となっており、7人に1人が貧困状態となっている。また、共働きや一人親世帯の増加に伴い、子どもが一人で食事をとる「孤食」が問題視されてきている。
このような中、子どもの貧困対策として、また、安心できる居場所づくりとして、全国で「子ども食堂」が注目されている。既に多くの自治体で運営費等の助成制度を設けており、また、群馬県太田市のように児童館等の公的施設を利用し、自治体が直接運営している例もある。
県内には60を超える「子ども食堂」があるが、食材の調達や、会場費など運営にかかる課題も多く、公的支援が求められている。子どもの貧困対策や安心できる居場所づくりは喫緊の課題であり、早急な対応が求められる。

【回答】
市内のNPO法人に対し、子ども食堂として公民館を貸し出しております。
また、補助金については、市独自の補助制度はございませんが、国等の利用できる助成制度についてご案内しております。さらに、チラシ等をご持参いただいた場合には、窓口に置くなど、広く市民に周知できるよう努めております。

(5)待機児童解消に向け、引き続き県および市町村が連携し、よりよい保育環境を確保しつつ、入所申込みした人が保育所等に入れるよう保育所等の整備を進めること。
<要請の根拠>
埼玉県では、従来より「埼玉県子育て応援行動計画の推進」として、保育所の整備促進、多様な保育施設への支援、幼稚園における保育の促進、延長保育や一時預かり事業など多くの予算を確保し、子育て支援を推進している。これまでの保育所等の整備拡充が進められたことにより、待機児童数は少数に止まりつつある。しかし、いわゆる「潜在的待機児童」は、保護者の意向が強い場合が多いが、これは働きやすい環境を求めての意向とも考えられる。引き続き、利用者の多様化するニーズに対し多様な選択肢によりすべての子どもが希望する保育所に入所でき、より安心・安全な保育環境を確保するための施策を整備する必要がある。

【回答】
本市においては、平成22年10月に1園、平成23年4月に1園、平成27年4月に1園、平成28年4月に1園の認可保育所が新設されたことにより、340人の定員増が図られました。また、平成24年4月の1園分園、平成28年4月の改築、平成29年4月の改築により、新設と併せて372人の定員の増加が図られております。さらに、平成30年4月には、市内の社会福祉法人等の協力により、57人の定員の増加を見込んでおります。
引き続き、市内の社会福祉法人等と連携しながら、保護者や子どもが安心できるよりよい保育環境となるよう努めてまいります。

8.人権・男女平等政策
(1)性的指向や性自認に関する差別を防止するため、以下の施策を実施すること。
a.教育現場をはじめとする公共サービスの提供時において、性的指向や性自認に関するきめ細かな対応をはかるため、研修の実施や各種相談体制の整備を継続しておこなうこと。
b.性的指向や性自認(性同一性障害を含む)に関する県民(市・町・村民)の正しい理解を進めるため、一般向けセミナーの開催数増加やリーフレット作成など、啓発活動の強化を推進すること。
<要請の根拠>
教育現場など公共サービスの提供現場をはじめ社会全体で、性的指向や性自認(性同一性障害含む)に関する深刻な実態への認識が深まり、差別の解消が大きな課題となっている。性的指向や性自認に関する差別解消の取り組みは始まったばかりであり、各種インフラや制度の整備を進めていくにあたっても、社会全体の理解促進が非常に重要である。

【回答】
a.性的指向や性自認に関する対応については、セクシャル・ハラスメントの防止等に関する規程を設け、相談者が希望する性の職員を選び対応できる相談窓口を設置するなど、誰もが働きやすい職場の構築に努めております。
今後についても、引き続き、適切な対応に努めてまいります。
また、市教育委員会では、市内校長会や人権担当教諭、生徒指導担当教諭及び養護教諭対象の研修会において、性的指向や性自認に関する差別防止に係る情報の周知を図ってまいります。
併せて、各学校における校内支援委員会やケース会議等を開催しながら、組織的な取組を行ってまいります。
b.人権教育専門員2名を配置し、講師として派遣するなど、市内保育園・幼稚園・小中学校、公民館等における研修会の開催を促進・支援するとともに、広報紙「すみよい深谷市をつくるために 忠恕」を毎年1回発行、市内毎戸配布しております。
また、啓発イベントとして、「ふかや・ふれあい人権セミナー」及び人権啓発標語・ポスター展を開催、併せて市内小中学校の児童生徒から、人権に関する作文、標語及びポスターを募集しています。
いずれも、性的指向や性自認に関する課題なども含め、さまざまな人権課題について考える機会を、子どもから大人に至るまでの市民に提供していくことで、人権尊重の考えが地域社会において醸成されていくことを目指しております。
今後とも、世論の動向や社会的な要請、また市民の関心の度合いや認知度の状況を踏まえ、効果的な啓発活動が行われるよう、内容や方法等を工夫しながら取り組んでまいります。

(表記を一部変更して掲載しております)
(平成30年1月30日)
担当課 企画課・総務防災課・契約検査課・人事課・自治振興課・人権政策課・生活福祉課・障害福祉課・長寿福祉課・保健センター・こども青少年課・保育課・商工振興課・都市計画課長・建築住宅課・教育総務課・学校教育課

 

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