社会保障の拡充を求める要望書

更新日:2023年03月27日

社会保障の拡充を求める要望書
陳情者名 埼玉県社会保障推進協議会
受付日 平成30年5月14日
陳情内容 だれもが安心して医療を受けられるために
1.国民健康保険制度について
(1)保険税の引き上げは行わないでください。
(a)一般会計法定外繰入を増額し、「払える保険税」にしてください。
2018年4月から新国保制度がスタートしました。厚労省は、1月の全国国保課長会議で「総額400億円の保険料激変緩和財源」の活用や法定外繰入、財政調整基金の取崩し等も含めて「住民負担への配慮」を求めていました。しかし、埼玉県内では、少なくない自治体で法定外繰入額の縮小や保険税の引上げが行なわれました。
住民負担への配慮を行い、現在でも「高すぎる保険料」から「払える保険税」にするために一般会計法定外繰入の増額をはじめ、財政調整基金を活用するなどして、これ以上の保険税の引き上げを行なわないでください。
また、1月厚労省は赤字解消計画の提出を求める通知を出しましたが、国保世帯に負担を強いる計画は行なわないでください。

【回答】
新しい国保制度がスタートして間もないところですが、財政面では依然として厳しい状況にあります。また、一般会計からの法定外繰入は、保険税の収入状況や市全体の財政状況を踏まえながら、他の様々な事柄を総合的に勘案する中で決定していくものですが、ご指摘のとおり厚労省から赤字削減解消計画を作成し、計画的に削減解消を図ることが示されたところです。市においては、計画を作成する中で、市の国保財政全体を考えながら、一般会計からの法定外繰入や保険税の引上げについて検討してまいります。

(b)国庫負担の増額を国に要請して下さい。
国保は、国民皆保険を支えるものとして、健保組合などの被用者保険に加入できない非正規労働者、高齢者、自営業者、小零細事業所の労働者などを対象としており、被保険者健保のような事業主負担がなく原理的に「自立」しがたい財政構造を持っています。発足当初から国が一定の財政負担を講じることとされ、当初は国が医療費の2分の1を負担、その後3分の1に削減されている経緯があります。このことで保険税負担が大きくなり、住民と直接向き合う自治体が一般会計からの繰り入れによって「住民の福祉の増進を図る」ために税負担を和らげようとしてきました。こうした経過を無視して「繰り入れをなくす」とするのは極めて乱暴で、憲法25条の趣旨に反することにもなります。
地方自治体、住民に負担を強いることなく、1984年当時の国庫負担率の45%の水準に戻すよう、国に強く要請してください。

【回答】
国による財政支援は、国民健康保険の保険者にとって共通した要望です。

(c)国保税の設定は、住民の負担能力に応じた応能割・応益割としてください。
地方税法では応能割・応益割5対5を原則としていますが、少なからずの自治体では「標準割合5対5は低所得層に大きな負担になるので、現状では低所得者軽減も考慮」して「6.5対3.5」あるいは「7対3」前後に設定されています。昨年の要望書に対しては、国保の都道府県化にあたり賦課割合の見直しは「現状と大幅なかい離がない設定を検討したい」、「今後の保険税の見直しにあたっても低所得者層の負担を配慮する観点から、応能応益割合については慎重に検討したい」など低所得者に配慮する回答をしていただきました。引き続き、住民の負担能力に応じた国保税となるように改善してください。

【回答】
ご説明にあるとおり、地方税法では応能割と応益割の標準割合は5対5とされていますが、本市においては、現在、応能割と応益割の割合は、概ね7対3となっております。

(d)子育て世帯へ、国保税の軽減をしてください。
埼玉県内の市町村で、国保税均等割の子ども負担軽減措置を開始する動きがはじまりました。ふじみ野市・富士見市・杉戸町などで子ども多子世帯への軽減措置が開始されます。すべての市町村で子どもの均等割負担の軽減と拡充を行なってください。
子どもの均等割負担は被用者保険にはありません。国に対して子どもの国保税均等割軽減の制度化を求めてください。

【回答】
世帯の総所得金額が一定額以下の世帯については、法定軽減により保険税の負担軽減を図っております。子育て支援の拡充はあらゆる分野で検討されていますが、国保税においては、考えておりません。

(2)国保税の減免・猶予規定(国保法77条)の周知・活用を図ってください。
国保税の減免の実施は、埼玉県全体で一昨年と比較して4,569件と約1,000件伸びましたが、滞納世帯数の2%にすぎません。(2017年社保協キャラバンアンケート)。少しずつ利用率が伸びてきていますが、減免制度が機能しているとはいえない状況です。昨年に引き続き、ひと目で相談窓口がわかる広報やホームページの充実を図り、繰り返し減免制度の内容を住民に周知してください。保険証にも記載し活用の促進を図ってください。所得の激減世帯だけでなく、生活保護基準の概ね1.5倍未満にある低所得世帯も対象に含めた申請減免実施要綱をつくってください。低所得世帯に対する支援を拡充するため、法定軽減率をさらに引き上げてください。

【回答】
減免制度については、市ホームページ、納税通知書に同封しているチラシ及び窓口で配布しているガイドブックに掲載し周知を図っております。
法定軽減については、本市においては「7割・5割・2割」の割合で軽減をしております。国の基準に基づき行っているもので、新たに基準が改正された場合には、順次対応してまいりたいと考えております。

(3)国保税の滞納・差押えについては、住民に寄り添って対応してください。
国保の都道府県化にともない、国保税についてもインセンティブ改革により収納率向上を競い合うかたちになりました。収納率を引き上げるために、督促や差し押さえの強化につながることが懸念されます。差し押さえの件数も4年前(2013年)のデータから埼玉県全体で1,300件増加しています。
滋賀県野洲市では、納付が遅れている市民に対して、「よく来てくれた」と歓迎し、納付が遅れている状況を聞き取り、納税の猶予、生活保護の手続きの案内など市民に寄り添った対応をしています。また、昨年の要望書への回答には「差し押さえよりも自主納付を優先」、「納付の相談は、税務課税徴収担当だけに任せず、国保担当と連携を密にしていく」自治体もあります。社会保障である国保税の徴収や滞納に対しては、今後も寄り添った対応を行なってください。
差し押さえについては、生存権的財産や営業が不可能になる資産の差し押さえ、競売、法令無視の差し押さえはしないでください。国保税が未納の住民に対しては、その経済状況などを個別につかみ、給与・年金・失業保険などの生計費相当額を差し押さえる強制徴収ではなく、公債権による徴収緩和などそれぞれの実態に合わせた対応をしてください。また、民事再生手続きを裁判所に申し立てている住民の財産は差し押さえず相談に応じてください。

【回答】
市税の徴収事務については、法に基づき適正に執行しておりますが、納税は国民の義務であり、市民生活を営む中で、税を負担するというルールは厳守されなければなりません。このことから、税の公平性を確保するため、個々の滞納者の実態を的確に把握し、引き続き対応してまいります。

(4)すべての被保険者に正規の保険証が交付されるようにしてください。
資格証明書の発行について、県内では20以上の市町村が資格証明書を発行していません。昨年の要望書に対する回答では「負担の公平」、「納付を促す機会を設けるため」など納税相談を誘導するような回答もありますが、資格証明書は医療機関窓口での支払いは全額自己負担となり、低所得者世帯では医療費を負担できず受診抑制、手遅れ受診につながる懸念があります。資格証明書の発行はやめてください。

【回答】
国保の資格証明書は、滞納者対策として、国民健康保険法に基づき、税負担の公平性を保つために交付しているものですが、対象者の選定においては、子供や障害者のいる世帯、病歴の有無等を配慮し、選定しております。

(5)窓口負担の減額・免除について
(a)患者の一部負担金の減免規定(国保法44条)の活用をすすめて下さい。
国保税など税の滞納者であっても、病気の治療が中断されると手遅れになる可能性があります。滞納に関わる相談の際には、国保課や他の部門でも疾病の有無を確認し、治療を継続するための援助を行なう態勢を整えてください。被災や非自発的失業などによって所得が激減した世帯だけでなく、生活保護基準の概ね1.5倍未満にある低所得世帯も減免対象に含めた条例をつくってください。
現在生活保護基準を目安とした減免基準がある場合は、これを拡充してください。

【回答】
一部負担金の減免の要件は、市の規則に規定があります。なお、その事務の取扱いにおいて、世帯主及び当該世帯に属する被保険者の収入について生活保護法に基づき厚生労働大臣が定める基準の例による額以下であって、預貯金が当該額の3箇月以下であるときが基準です。これからも、国の通知や他の地方公共団体の状況も注視しながら研究してまいります。

(b)一部負担金の減免制度があることを保険証に記載するなど、広く周知してください。
減免制度を容易に申し込みできるようにしてください。国保税の通知などを利用して、減免制度が正しく活用できるよう広く周知してください。

【回答】
一部負担金の減免制度については、窓口で配布している国民健康保険ガイドブックでその説明を掲載しており、さらに、市ホームページにおいてもそのことに関係するページを公表して、周知を図っております。

(6)国保運営協議会の委員を広く公募してください。
国保運営協議会の委員を「公募」している自治体は、2017年度は2つ増え25になりました。また、検討や研究するとした自治体も14となりました。引き続き、国保運営協議会の委員の公募と医療関係者や有識者だけでなく、被保険者など住民から広く募集してください。

【回答】
本市の国保運営協議会の委員については、被保険者を代表する委員、保険医又は保険薬剤師を代表する委員、公益を代表する委員、被用者保険等保険者を代表する委員で構成されており、その委員の選任については、より広い意見や専門的な意見の交換ができるように、職種別や公募、女性代表、地域代表、大学教授といった多様な方々を選任しております。

(7)保健予防活動について
(a)特定健康診査の本人負担をなくし、診査の内容を充実してください。
特定健診の自己負担は本人負担をなくして受診を促進してください。また健診項目や内容の改善を重ね、早期発見・早期治療につなげてください。

【回答】
特定健康診査の検査料金は、1件当たり約1万円の費用がかかることから一定の受益者負担はやむを得ないことと認識しております。検査項目については、問診、身長・体重・腹囲測定、診察、血圧測定、血液検査(脂質検査、糖尿病検査、肝機能検査、腎機能検査)、尿検査(尿糖、尿蛋白)となっておりますが、平成24年度からは血液検査の腎機能検査のうち、血清クレアチニン及び尿酸が追加となり、さらに平成28年度からは心電図が追加となるなど、内容の充実を図ってきております。

(b)ガン検診を受診しやすくしてください。
ガン検診の自己負担額がある場合、本人負担をなくし、年間を通じて受診できるようにして下さい。特定健診との同時受診ができるようにしてください。また集団健診方式の自治体は、個別健診もすすめて下さい。

【回答】
自己負担額は、近隣市においては最低額もしくは同等額で実施しておりますことから、これ以上の減額は、現在のところ考えておりません。

【参考 自己負担額】
・胃がん検診(胃部レントゲン) 500円 ・胃がん検診(胃内視鏡) 2,500円
・肺がん検診 200円 ・大腸がん検診 300円
・前立腺がん検診 300円
・子宮頸がん検診(集団) 500円 (個別) 1,200円
・乳がん検診(視触診+マンモ 集団) 1,000円 (視触診+マンモ 個別) 1,200円

また、特定健診と胃がん(胃部レントゲン)、肺がん、大腸がん、前立腺がん検診は、集団検診方式にて同時に受診いただいております。検診期間につきましては、6月から1月までの8か月間(子宮頸がん、乳がん検診については6月から2月までの9か月間)にわたり受診が可能です。
子宮頸がん、乳がん検診は、集団検診と個別検診から市民のかたが選択できる体制となっております。また、平成30年度からは、胃がん検診に集団検診での胃部レントゲン検査の他、個別検診での胃内視鏡検査を導入し、選択できる体制を整え、充実を図りました。
ひとりでも多くの市民に、がん検診を受診していただくため、今後も周知啓発に取り組んでまいります。

(c)保健師を増員して、住民参加の健康づくりをすすめてください。
保健師と住民が一緒になって、健康寿命をのばす体制をつくり、健康づくりに取り組んでください。保健師を増員してください。

【回答】
市では、市民が生涯にわたり、健やかで心豊かに暮らすことができる社会の実現に寄与するため、市の責務及び市民、関係団体、事業者の役割を明らかにし、市民、関係団体、事業者及び市の協働による健康づくりの推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、「深谷市健康づくり推進条例」を平成30年4月1日に制定いたしました。
また、本条例では、健康づくりの推進に関する施策を実現するための基本計画を策定するものとし、これに基づき「第2次深谷市健康づくり計画(健康増進計画・食育推進計画・母子保健計画)」を策定いたしました。今後、本計画を基盤に、市民、関係団体及び事業者、行政がともに健康づくりに取り組むことを推進して参ります。
保健センターでは、健康づくり事業について健康推進係が主担当となって推進しておりますが、平成30年度より新たに保健師を1名増員した係体制とし、健康づくりの推進強化を図る体制としております。

2.後期高齢者医療について
(1)長寿・健康増進事業を拡充してください。
健康教育・健康相談事業、健康に関するリーフレット提供、スポーツクラブや保養施設等の利用助成を拡充してください。
特定健診及び人間ドック、歯科健診は無料で年間を通じて実施してください。周知徹底と受診率の向上を図って下さい。

【回答】
後期高齢者医療の被保険者に対する健康診査は、無料で実施しており、人間(脳)ドックの受診者には、国民健康保険と同額の補助金を交付しております。
また、歯科健診は、後期高齢者医療広域連合が実施主体となり、前年度に75歳になった被保険者を対象に無料で実施しております。
スポーツクラブや保養施設の利用助成については、現在実施しておりませんが、健診未受診者に対する受診勧奨通知の個別発送など、被保険者に対する周知徹底を行い、受診者数の向上を図りたいと考えております。

(2)所得がなくても安心して医療が受けられるようにしてください。
資格証明書や短期保険証を発行しないでください。低所得者や滞納世帯への対応では、健康状態や受診の有無を把握し、安心して医療が受けられるよう支援してください。

【回答】
本市では、保険料滞納者には、窓口相談や電話催告の対応に応じて、適宜、臨戸訪問を実施しております。
また、資格証明書や短期被保険者証の発行については、後期高齢者医療広域連合で定められた基準に従い事務を進めておりますが、資格証明書の発行実績はありません。

だれもが安心して介護サービスを受けられるために
1.訪問・通所介護の総合事業は、現行相当サービスを確保するとともに、事業者の安定的確保を行ってください。
市町村が担う要支援者向けの介護サービスの総合事業について、これまでどおり指定事業者がサービス提供をする「現行相当サービス」を継続できるよう、自治体がサービス提供事業所の確保と運営への支援をおこない、要支援者の受け皿を確保してください。
要支援と認定された方に対する訪問・通所の介護サービスについて、設定した目標・計画との関係で、事業実施状況(事業の運営者、事業の内容、利用者数、利用者負担の基準)の到達と課題、困難な点を教えてください。
また、事業の移行にともなう住民からの問い合わせ、苦情等があれば教えてください。

【回答】
要支援者向けの介護サービスの総合事業について、これまでどおり指定事業者がサービスを継続提供できるよう、大里広域市町村圏組合で指定手続きを行い、要支援者の受け皿の確保に努めております。
また、被保険者の自立した日常生活の支援、要介護状態等となることの予防または要介護状態等の軽減もしくは悪化の防止等を図るため、各事業の目標を第7期介護保険事業計画において設定しました。事業実施の中で、事業実施状況の到達と課題等について把握してまいります。
なお、事業の移行にともなう住民からの問い合わせ、苦情等はいただいておりません。

2.地域支援事業・介護予防事業について
(1)第7期介護保険事業における地域支援事業は、計画的に実施するとともに必要な財政確保をおこなってください。
第7期介護保険事業における地域支援事業との予算と、各事業の見込額と利用者数の予想を教えてください。
地域支援事業の予算が予想を超えた場合の手立てをおしえてください。
地域支援事業については、新しい試みであり住民の理解が必要です。予算規模を含め、懸念される点や、住民への周知はどのようにおこなっているか教えてください。

【回答】
第7期介護保険事業計画における地域支援事業に係る予算は、平成30年度については、大里広域市町村圏組合全体で介護予防・日常生活支援総合事業分が811,895,000円、包括的支援事業と任意事業分で403,296,000円、合計1,215,191,000円となっております。
平成30年度深谷市における各事業の利用者数の予想ですが、主なものとして、介護予防・生活支援サービス事業のうち、訪問型サービスCの見込み数を80人、一般介護予防事業のうち、介護予防普及啓発事業を160回開催し3,050人の参加、地域支援介護予防活動推進事業として、通いの場におけるサポーター養成研修を16回開催、通いの場の活動場所を19カ所へ増加しようと考えております。包括的支援事業としては、総合相談支援件数を6,650件、地域ケア個別会議を144回、在宅医療・介護連携推進会議を3回、生活支援体制整備事業の協議体を33回開催、認知症カフェ設置数を8カ所に増設を予定しております。また、任意事業の家族介護支援事業としては、介護教室を8回開催する予定です。
地域支援事業の予算が予想を超えた場合の手立てについては、大里広域市町村圏組合と協議して決定してまいります。
地域支援事業については、住民のご理解が必要不可欠であることから、第7期介護保険事業計画の概要版を市広報と同時に配布し周知するほか、包括支援センターで高齢者の相談を受ける際や介護認定申請時などに周知し、理解を深めていただけるよう取り組んでまいります。

(2)地域支援事業・介護予防事業は、委託事業者に頼らず独自の計画と体制をとってください。
高齢者人口の増加に伴いますます介護予防事業が重視されるところですが、地域支援事業・介護予防事業としてA類型・B類型について、サービスの担い手をどのように養成していますか。また、その進捗状況を教えてください。また、B類型実施にあたっての課題を教えてください。

【回答】
地域支援事業・介護予防事業については、様々な事業を実施しております。特に介護予防事業として、地域の中で歩いて通える場所を会場に、おもりを使って行う「深谷ふっかつ体操」に取り組む「通いの場」を増やしていけるよう、立ち上げ支援を行うとともに、継続して実施できるよう、その担い手となる介護予防サポーターの養成も市として行っております。
現在、A類型・B類型については、他の事業等で取り組んでいるサービス施策であり、第7期の計画でもサービスを見込んでおりませんが、要支援者等の多様なニーズに照らし、大里広域市町村圏組合と連携し、サービス内容の検討等を行ってまいります。

3.高齢者が在宅で暮らすための必要な支援を行ってください。
当自治体における地域包括ケアシステムの重点課題を教えてください。医療・介護連携を含む地域包括ケアシステムの推進と、高齢者の自立支援・重度化防止がいわれていますが、高齢者の身体機能向上に重点化した施策に特化せず、生活全般にわたる支援策として総合的にすすめてください。自治体の生活支援サービスを教えてください。
なかでも、認知症の方への支援は、当事者、家族、住民にとって求められています。当自治体では、認知症の方への支援にどのようにとりくみ、今後、どのような支援が必要と考えているか教えてください。
また、在宅生活を保障するための定期巡回24時間サービスの拡充をはかってください。

【回答】
日常生活支援整備にあたり、地域の実状にあった支え合いの仕組みづくりが課題と考えていることから、現在、第1層・第2層協議体に生活支援コーディネーターを配置し、体制づくりを進めているところです。
自治体の生活支援サービスとしては、(a).緊急時の連絡先などの情報をカードに記入し冷蔵庫に保管しておくことで救急救命活動に役立てる「緊急医療情報キット」や、(b)緊急時に通報先に直接連絡できる「緊急通報装置」の設置、(c)徘徊症状のあるかたの洋服や靴、バックなどさまざまな素材に貼り付けることができる「おでかけ見守りシール」の配布、(d)対象者が端末機を常時所持することにより、徘徊者の位置情報がインターネット検索または電話連絡で確認できる「徘徊者検索システム」があります。
認知症のかたへの支援としては、現在、包括支援センターに認知症地域支援推進員を配置しているほか、認知症初期集中支援推進事業や認知症カフェ、認知症予防教室、認知症サポーター養成講座等を実施し、直接的支援と間接的支援の両面から、認知症に関する正しい理解の普及啓発等を行っております。今後も、認知症のかたを支える家族の負担や悩みが多いことから、家族が悩みを話し合ったり、交流したりできる機会を増やすなど、家族支援の充実が必要と考えております。
地域包括システムの構築に向け、様々な事業を実施しておりますが、在宅生活を支える「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」については、現時点では市内に事業所の整備がなく、サービス提供事業者の整備が重要な課題となっております。今後も事業所の整備に向け、大里広域市町村圏組合で公募を行っていく予定です。

4.介護労働者の人材確保と良質な介護サービスの提供を保障するため、介護労働者の処遇改善を行うよう国に要請するとともに、独自の施策を講じてください。
介護労働者の平均月収は他産業と比べてきわめて低く、離職率も高い職種となっています。募集をしても応募者がなく、事業運営に支障をきたす事態も発生しています。当該自治体で働く介護労働者に対して家賃補助するなど、独自の支援を行なってください。
介護労働者の処遇改善は、利用者や保険料の負担増につながる介護報酬の加算ではなく、国の一般財源で対応するよう国に要請してください。
また、介護職種の技能実習制度活用は、慎重であるべきです。当自治体の考え方と当市における実態を教えてください。

【回答】
介護労働者の平均月収が他産業と比べて低いこと、離職率も高い職種であることは認識しております。今後もこの課題については、大里広域市町村圏組合と連携してまいりたいと考えております。なお、処遇改善に関する国への要望については難しいと考えますが、要介護者に対する必要な支援に影響を及ぼすことでもあることから、国・県の動向を踏まえ、大里広域市町村圏組合と連携し検討してまいります。
また、外国人の技能実習制度については、現在、大里広域市町村圏組合として、状況・実態の把握を行っておりませんが、介護職の知識・技術レベルを保持するためには慎重に活用すべきであると考えております。

5.必要な人が入所できるよう特別養護老人ホームを増設し、特例入所については行政が責任を持って対応してください。
(1)特別養護老人ホームを増設してください。
特別養護老人ホーム利用待機者を解消するため計画的に増設し、すべての入所希望者の入所を確保するよう、施設整備を行なってください。

【回答】
平成30年4月から市内2施設に60床が増床され、現在、12施設894床整備されております。今後も特別養護老人ホームの増設については、待機者の状況等を考慮しながら大里広域市町村圏組合と連携し検討してまいります。

(2)特例入所については行政が責任を持って対応してください。
平成29年3月29日厚労省老健局高齢者支援課長通知のとおり、要介護1・2の方の特養入所判断において、入所希望者の要望や生活事情等によりそい、施設側が独断で拒否しないよう行政の責任で徹底を図ってください。必要に応じ、行政として実情の把握に努めてください。

【回答】
要介護1または2のかたの特例入所については、やむを得ない事情で、居宅において日常生活を営むことが困難であると認められる場合には、入所が認められております。これらの運用について、今後も国、県からの通知・指針を基に関係機関に周知してまいります。

6.地域ケア会議は、住民、介護保険制度利用者の必要な支援の相談の場としてください。
地域ケア会議の開催状況と参加者の職種構成と人数を教えてください。地域ケア会議が、地域包括支援センターと委託のケアマネのアセスメントやプラン、経過記録などを監視するものとならないようしてください。

【回答】
地域ケア会議の開催状況については、市内6包括支援センターで月1回、2事例の検討を行う形で実施しております。参加者については、包括支援センター職員や担当ケアマネージャー、各種サービス事業者、自治会長、民生・児童委員等、ケースの状況により職種・人数に変動があります。
また、内容については、「自立支援に向けた地域ケア会議」「困難事例等の対応についての地域ケア会議」となっており、必要に応じ、理学療法士や精神福祉士、管理栄養士等を派遣し実施しております。

7.新たな保険者機能強化推進交付金への具体的な対応を教えてください。
平成29年介護保険法改正により高齢者の自立支援、重度化防止等に関する取組を推進するための新たな交付金として約200億円が平成30年度から開始されます。交付金約200億円の内都道府県に約10億円、市町村に約190億円が交付されることになっています。貴自治体での評価指標の達成見込みや交付金の使途について、教えてください。
評価指標には要介護認定率の変化など、点数欲しさに機械的に対応した場合に高齢者や家族への負担を強いるのではないかとの懸念があります。ケアマネージャーなどの関係者の意見も十分聞いて慎重に対応をすすめてください。

【回答】
高齢者の自立支援、重症化防止等に取組む市町村に対して、平成30年度から交付金が交付されることとなりました。評価指標の達成見込みについては、大里広域市町村圏組合で、継続したモニタリングと改善のサイクルを検証し、達成率の向上を目指していきたいと考えております。
また、交付金の使途については、地域支援事業等を充実し、高齢者の自立支援、重症化防止、介護予防等に必要な取組みを、大里広域市町村圏組合と連携し進めていきたいと考えております。
なお、評価指標の取組状況については、ケアマネージャーなどの関係者の意見等を十分に聞き、慎重に対応を進めてまいります。

8.介護保険料を引き下げてください。
(1)1号被保険者の介護保険料を引き下げて下さい。
今年4月から多くの自治体で、保険料が値上げになりました。高齢者にとって大変な負担になっています。滞納者の増加と制裁措置者の増加が懸念されます。介護保険料の引下げを検討してください。

【回答】
介護保険料は、40歳以上のかたが納める保険料と、国・県・市の負担金及び介護サービスの利用者負担を財源に運営されております。
介護保険料の算定は、法令の規定に基づき行っていますが、第7期介護保険事業計画の介護保険料は基準額66,000円となっており、第6期介護保険事業計画の介護保険料と比較して、年額3,600円の増額となりました。増加抑制に努めておりますが、介護給付費の増加が見込まれることから、引き下げは困難な状況です。

(2)保険料を軽減する財源として、財政安定化基金や介護保険給付費準備基金を取り崩して引き下げてください。
(a)平成29年度末の財政安定化基金や介護給付費準備金の残高を教えて下さい。その基金や準備金を財源に保険料を引き下げて下さい。
平成30年度の介護保険事業予算の編成にあたり、介護給付費準備基金からいくら繰り入れたか教えて下さい。また介護給付費の総額を教えて下さい。

【回答】
平成29年度末の介護給付費準備金の残高は1,155,991,994円となっております。第7期介護保険事業計画中の介護保険料算定にあたり、介護給付費準備金を財源とし保険料増加の抑制に努めましたが、介護給付費の増加が見込まれることから、引き下げは困難な状況です。
平成30年度の予算編成にあたり、介護給付費準備基金から104,568,000円繰り入れる予定です。平成30年度の介護給付費等の予算額は、大里広域市町村圏組合全体で26,626,033,000円となっております。

(b)第6期介護保険事業計画の給付総額と被保険者数は、見込みどおりとなりましたか。第7期介護保険事業計画の給付総額と被保険者数の見込みを教えて下さい。

【回答】
第6期介護保険事業計画中の介護給付費及び被保険者数は、計画を下回る予定です。
第7期介護保険事業計画の介護給付費等の総額及び被保険者の見込み数は、大里広域市町村圏組合全体で、3年間で約866億円、第1号被保険者数は2018年度105,221人、2019年度106,676人、2020年度107,969人を見込んでおります。

9.介護保険料、利用料の減免制度の拡充を行ってください。
高齢化が進行し低所得の高齢者も増えており、介護保険料の滞納者や利用したくても利用できない人が増えています。住民税非課税世帯については、市町村の単独支援として利用料の減免制度を拡充してください。
第7期介護保険事業計画で盛り込んだ低所得者の保険料、利用料の減免制度を教えて下さい。生活保護基準を目安とした減免基準がある場合は、その基準を引き上げてください。

【回答】
住民税非課税世帯については、市の単独支援として、低所得者(介護保険料算定基準第1~第3段階(特例を含む)を対象に、利用料の4分の1を補助する制度があります。総合事業実施にあたり対象外となった要支援者、チェックリスト該当者についても対象としているため、減免制度の拡充につながっております。
次に、第7期介護保険事業計画で盛り込んだ低所得者の保険料ですが、基準額の0.45%で年額29,700円となっております。利用料の減免制度については、介護保険と医療保険の支払額が高額になった時に、所得額に応じた自己負担額の限度額を超えた分が払い戻される、高額医療・高額介護合算制度があります。
なお、生活保護基準を目安とした減免基準については、該当するものはございません。

障害者の人権とくらしを守る
1.障害者の暮らしの場の保障へ、地域で暮らせるための実態把握や整備・拡充への計画化をすすめてください。
(1)障害者の暮らしの場の保障へ、障害福祉計画に反映させた待機者解消などの具体的施策を明らかにしてください。なお、現在の障害種別ごとの待機者数を教えてください。

【回答】
第5次深谷市障害者プランに基づき、グループホームなどの住まいの場の確保を支援します。障害種別ごとの待機者数については、身体は8人、知的は33人となっております。

(2)入所支援施設及びグループホームについて、入所希望者が、可能な限り従前に居住していた自治体内、少なくとも近隣の市町村(障害保健福祉圏域内)で入所できるようにするための当面の改善策を講じてください。入所支援施設及びグループホームで生活している人について、自治体内、障害保健福祉圏域内、障害保健福祉圏域外の県内、県外で生活している人について人数を教えてください

【回答】
入所支援施設及びグループホームの入所決定については、本人や家族の要望により入所施設等を決めております。特にグループホームについては、見学や体験利用を経て、本人の希望により入所されております。市内の施設入所者は39人、グループホーム利用者は133人、市外の施設入所者は108人、グループホームは53人となっております。その他の障害保健福祉圏域内などの人数については把握しておりません。

(3)登録待機者だけでなく、点在化している明日をも知れない老障介護(80歳の親が50歳の障害者を介護・90歳の親が60歳の障害者を介護しているなど)家庭の孤立化予防へ実態把握に努めるとともに、相談会や緊急時対策を検討してください。

【回答】
平成27年度に基幹相談支援センターを設置し、専門的な相談支援を行うと同時に関係機関のネットワーク構築など地域の連携強化を図っております。

2.重度心身障害者等の福祉医療制度に所得制限を導入しないでください。特に現物給付の広域化、精神障害者対策など拡充してください。
(1)来年1月からの所得制限は導入しないでください。あわせて、独自の年齢制限や一部負担金等を導入しないでください。

【回答】
所得制限の導入については、導入後の影響や県内市町村の動向等を踏まえ、現在検討しております。
独自の年齢制限や一部負担金等の導入については、現在のところ考えておりません。

(2)利用者の経済的負担や手続き上の負担が軽減される、窓口払いのない現物給付を実行しつつ、現物給付の広域化を進めるために、近隣市町村・医師会等への働きかけを強化してください。

【回答】
現物給付については、平成24年10月1日から市内の医療機関に関して保険種別を問わず実施しております(ただし、月の途中で21,000円以上となった場合を除く)。現物給付の広域化については、機会を捉えて県に要望してまいります。

(3)精神障害者は1級だけでなく2級まで対象とするよう検討してください。特に急性期入院については、病状の更なる悪化を防ぐ上でも、家族の日常生活を守る観点からも対象としてください。また、この一年間で福祉医療制度を受けた精神障害者の実利用人数を教えてください。

【回答】
精神障害者2級のかたは、65歳未満で手帳を所持し、65歳以上で障害認定を受け後期高齢者医療制度に加入した場合は助成の対象になります。
また、平成29年度に重度心身障害者医療費の給付を受けた精神障害者のかたは78人となっております。

3.国の政策委員会、県の障害者施策推進協議会に準じた協議機関を設置してください。
身体(肢体・視覚・聴覚内部)障害、知的障害、精神障害、難病患者団体を含めた構成をめざしてください。また障害者差別解消法や虐待禁止を推進する協議会の設置や運営の機能強化をめざしてください。

【回答】
地域の障害福祉に関する協議の場として、熊谷市、深谷市、寄居町の2市1町で構成する大里地域自立支援協議会を設置しております。また、障害者差別解消法に関する事項についても協議事項としております。今後も当協議会を活用し、障害に関する地域課題等について、広域で検討してまいります。

4.障害者生活サポート事業を拡充してください。
(1)利用者にとって利便性が優れている県単事業の障害者生活サポート事業を未実施市町村も実施してください。実施市町村は利用時間の拡大をめざすとともに、成人障害者への軽減策を講じるなど、制度の改善を検討してください。

【回答】
生活サポート事業は継続して実施してまいります。利用時間の拡大や成人障害者への軽減策については現在のところ考えておりません。

(2)事業を拡充しやすくなるよう、県に補助増額や低所得者も利用できるよう負担の応能化を県へ働きかけてください。

【回答】
補助の増額や負担の応能化については、機会を捉えて県に要望してまいります。

5.福祉タクシー制度などを拡充してください。
(1)福祉タクシー制度やガソリン代支給制度は3障害共通の外出や移動の手段として介助者付き添いも含めて利用できるようにしてください。また、制度の運用については所得制限や年齢制限などは導入しないでください。

【回答】
深谷市では、福祉タクシー事業は身体障害者手帳1級~3級のかた、療育手帳マルA~Bのかた、精神障害者保健福祉手帳1~2級のかたを対象としています。
自動車等燃料費補助事業は、身体障害者手帳1~2級または精神障害者保健福祉手帳1級で、自己所有の自動車等を自ら運転しているかた、身体障害者手帳1級~2級もしくは精神障害者保健福祉手帳1級の交付を受けた18歳未満のかた、または療育手帳マルA~Aの交付を受けたかたで、保護者が所有する自動車等による通園・通学等の送迎を受けているかたを対象としています。
なお、対象に所得制限は設けていません。

(2)地域間格差を是正するために近隣市町村と連携を図るとともに、県へ働きかけ、県の補助事業として、復活することをめざしてください。

【回答】
機会を捉えて県に要望してまいります。

子どもたちの成長を保障する子育て支援について
【保育】
1.公立保育所又は認可保育所の拡充で、待機児童を解消してください。

待機児童解消のための対策は、公立保育所・認可保育所の増設を基本に整備をすすめてください。
また、育成支援児童の受け入れ枠を増やして、補助金を増額し必要な支援が受けられる態勢を整えてください。
認可外保育施設が認可施設に移行する計画の場合は、施設整備事業費を増額して認可保育施設を増やしてください。

【回答】
本市においては、平成22年10月に1園、平成23年4月に1園、平成27年4月に1園、平成28年4月に1園、平成30年4月に認可保育所、小規模保育室がそれぞれ1園新設されたことにより、439人の定員増が図られました。また、平成24年4月に1園分園による定員増、平成28年4月、平成29年4月、平成30年4月に改築による定員増も図られており、新設と併せて501人の定員の増加が図られております。

2.待機児童をなくすために、処遇を改善し、保育士を確保してください。
待機児童を解消するためには、保育士の確保が必要です。保育士の離職防止も含めて、自治体独自の保育士の処遇改善を行なってください。

【回答】
本市においては、職員処遇改善費補助事業を実施しており、保育園の設置者が、その職員に対し支給する毎月の給料等の加算に要する経費として、1人月額10,000円を補助金として交付しております。

3.保育料を軽減してください。
国が定めている基準以下に保育料を軽減して下さい。多子世帯の保育料軽減事業を拡充して下さい。

【回答】
本市では、国が定める利用者負担額以下の保育料としています。また、平成28年度から保育料の軽減措置を拡充して、第3子以降の保育料無料化を実施しております。

4.保育の質の低下や格差が生じないように、公的責任をはたしてください。
すべての子どもが平等に保育され、成長・発達する権利が保障されなければならず、そのためには国や自治体などの公の責任が必要不可欠です。安心安全な保育をするためにも、研修の実施や立ち入り監査など、指導監督に努めてください。
また、保育所の統廃合や保育の市場化、育児休業取得による上の子の退園などで保育に格差が生じないよう必要な支援をしてください。

【回答】
児童の処遇の低下や保育の格差が生じないように努めております。

【学童】
5.学童保育を増設してください。

学童保育の待機児童を解消し、必要とするすべての世帯が入所できるようにするために、また「1支援の単位40人以下」「児童1人当たり1.65平方メートル以上」の適正規模の学童保育で分離・分割が図れるように予算を確保して援助して下さい。

【回答】
右肩上がりの入室児童数の増加に対し、現在本市では、毎年施設の整備を進めており、平成28年度には上柴東学童保育室を建築、幼稚園の改築により深谷西学童保育室を、小学校の改築により川本南学童保育室を設置し、全ての小学校敷地内に学童保育室の整備が完了しております。平成29年度についても榛沢学童保育室の建築を開始し、平成30年度には上柴西学童保育室と岡部西学童保育室の建設を行っていきます。また、すべての世帯が公立学童保育室または民間学童クラブに入室できるように対応しており、必要に応じて学校の余裕教室の活用なども行い、待機児童が出ないように進めています。
一方で、全国的な人材不足や、既存の建物の構造上、明確な分離・分割が難しいなど、厳しい状況ではありますが、各基準等については、できる限り順守すべく対応し、安全安心な管理運営をしてまいります。

6.学童保育指導員を確保し、処遇改善を行ってください。
厚生労働省は学童保育指導員(放課後児童支援員)の処遇改善を進めるために「放課後児童支援員等処遇改善等事業」「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」を施策化していますが、県内で申請している市町村は、「処遇改善等事業」で約半数、「キャリアアップ事業」で約2割にとどまっています。指導員の処遇を改善するため、両事業の普及に努めてください。また、民営学童保育のみを対象としている県単独の施策・補助について、すべての地域が対象となるように拡充を図ってください。

【回答】
現在本市では、「放課後指導支援員等処遇改善等事業」については、国・県の基準に準じて実施しております。「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」や民営学童保育のみを対象としている県単独の施策・補助については、各学童クラブの状況等を精査し、必要に応じて検討してまいります。

7.政府に対して、自らが定めた「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」について、規制緩和を行うことのないようにはたらきかけてください。

【回答】
政府が示す方針に対して、学童保育室の安全安心な運営にどのように影響が出るか等を精査・協議しながら、対応について検討してまいります。

【子ども医療費助成】
8.子ども医療費助成制度の対象を「18歳年度末」まで拡大してください。

子ども医療費の無料化を「18歳年度末」まで拡充している場合は、引きつづき継続してください。まだ行なっていない場合は、実施を検討して下さい。
本来子ども医療費助成制度は国の制度とするべきであり、他県が行なっているように埼玉県も中学3年まで埼玉県が助成すべきです。国や県への要請を行なってください。

【回答】
こども医療費の支給対象年齢は、平成29年10月より「18歳年度末」まで拡充しました。
こども医療費助成制度の国や県での実施についての要望は行っておりますが、今後も引き続き行ってまいります。

住民の最低生活を保障するために
1.生活保護の「しおり」を全ての自治体がカウンター上など目につく場所に置いて、市民、町民の皆さんが自由に手に取り、生活保護制度を理解できるようにしてください。

生活保護制度は憲法第25条に基づく国民の権利です。しかし制度が知られていないために誤解や偏見が生じ、生活に困窮した場合でも、生活保護制度に行き着かないことがあります。また、必要な他の法令や施策を利用できない事態も生じています。生活保護制度への正しい理解で、必要な人の制度利用が進められるようにしてください。

【回答】
本市では、生活に困窮したかたが来所した場合、まず、生活福祉課内の生活困窮者相談窓口につなげる体制を整えています。その上で、生活保護が必要と思われる場合は、同じ窓口内の生活保護担当につないでおります。
生活保護相談においては、面接相談員が「生活保護は、国民の生存権を保障した憲法25条の理念に基づく制度である」ことを明記した市作成の「生活保護のしおり」を用いて制度の説明をするとともに、そのかたの生活状況等を詳しく聴取し、緊急性の有無や他法・他施策による支援の可能性なども確認し、丁寧な対応に努めております。
また、市のホームページで「生活保護を受給することは国民の権利である」ことを周知するとともに、庁内関係各課と連携し、生活保護法による支援を必要とするかたへの適切な対応に努めております。

2.生活保護の申請者に対しては、直ちに申請書を交付し、受理してください。申請拒否と疑われる行為のない対応をしてください。
「家族・親族に相談してから」「求職活動をやってから」「家があるから、車を保有しているから」など、水際作戦と疑われる対応がいまだに行われているところがあります。制度の説明後には、直ちに申請の意思を確認し、申請書の交付、受理をしてください。調査等は、申請受理後に行ってください。

【回答】
本市では、生活保護の相談があった際には、制度説明を行った後に本人または家族の申請意思を確認し、直ちに申請書を交付し、受理しております。決定に必要な調査については、必ず申請書受理後に行っております。

3.ケースワーカーを増員するとともに、専門職としての研修を充実させ、親切・丁寧な対応ができるようにしてください。
毎年の資産調査が実施されたことや要保護世帯の状況の複雑化によって現業職員の負担が増しています。そのなかで未だに国が示す標準数に達していない福祉事務所が多くあります。また、研修が不十分なために、申請者や被保護者に適切なアドバイス等が行われないことが往々に見受けられます。現業職員への研修機会を増やすなど制度周知を徹底してください。

【回答】
ケースワーカーの増員については、担当課による組織ヒアリング等において毎年要望しており、平成30年度においては、厚生労働省の示す標準数に達しております。今後も標準数を維持していけるよう、引き続き組織ヒアリング等で要望してまいります。
担当職員の研修については、埼玉県が実施する新任ケースワーカー・査察指導員・面接相談員研修等に参加することで、知識や対応能力を高め、相談者等への適切な対応に努めております。
また、社会福祉士や保健師の有資格者も複数配置しており、さらに、人事異動により初めてケースワーカーとなった職員については、社会福祉主事資格取得講座の受講を義務付けております。

4.市民のくらしを破壊する、税金徴収、差押えの強行はやめてください。
市民のくらしを破壊するような徴収のやり方、差押えはしないようにしてください。債権回収にあたっては健全な財政運営に資する事だけを目的とするのではなく、市民生活の安心の確保に資することを目的に含めてください。生活困窮者に対しては徴収停止や債権放棄など、生活上の諸課題の解決や生活再建に資する総合的な支援を可能とする対応を制度化してください。

【回答】
滞納処分の実施にあたっては、税負担の公平性と最低限度の生活の保障など社会的配慮を考慮し、財産調査や納税交渉などを通じて、滞納者の個別・具体的な実情を正確に把握したうえで判断し実施しております。

5.地域における貧困問題を解決するために、地域の生活困窮者の状況を把握するとともに、実情に応じて積極的に施策を行ってください。
(1)行政の各部署が連携して生活困窮者に対応し、生活困窮者自立支援事業および生活保護に適切に繋いでいけるようにし、自立支援事業を積極的に展開するとともに、それが生活保護を抑制するためのものにならないよう留意してください。

【回答】
本市では、生活困窮者自立支援制度における庁内連携会議を毎年開催し、生活に困窮したかたが来所した場合は、速やかに生活福祉課内の生活困窮者相談窓口につなげる体制を整えております。その上で、生活保護法による支援が必要と思われるかたについては、生活保護担当につないでおります。

(2)地域における生活困窮者の状況の把握につとめ、生活保護の補足率の改善に努力してください。民生委員の研修や活動費の改善について検討してください。

【回答】
自立支援事業の相談を通じて地域の生活困窮者の早期発見に努め、生活保護の受給要件を満たすかたは漏れなく生活保護担当につないでまいります。
また、民生委員に対する研修については、民生委員・児童委員協議会と協議してまいります。なお、民生委員の活動費については、県が負担することとなっておりますが、本市では県負担分の活動費に市単独分の活動費を上乗せして支給しております。

(3)住民と直接向き合い、福祉の向上をはかることを基本とする自治体として、生活相談や自立支援事業、生活保護の業務を通して、地域の生活困窮者の状態を全体的に把握し、現行の生活保護基準や運用について調査・検討を行ってください。

【回答】
生活相談、自立支援事業、生活保護業務を通じて、地域の生活困窮者の把握に努めてまいります。生活保護基準や運用については、国の示す基準に従い対応してまいります。

(4)国に対し、10月から予定される生活保護基準の改定について再検討を行い、生活保護基準を引き上げるよう意見を上げてください。

【回答】
10月から予定される生活保護基準の改定については、国に対し意見を上げる予定はありません。

(5)生活保護を受給する高齢者の半数が年金受給者であることから、年金制度を抜本的に改善するよう、国に意見を上げてください。とりわけ低年金者対策を重視するよう、国に意見を上げてください。

【回答】
市町村が実施している国民年金法に基づく事務は、国からの「法定受託事務」です。
市町村の国民年金業務にかかる意見や要望については、年金事務所を通じ、日本年金機構本部に集約されたのち、日本年金機構本部において制度改善要望等として取りまとめられ、厚生労働省に提出されるものです。
したがいまして、市町村は「法定受託事務」としての年金業務に関する意見や要望は行うことは出来ますが、年金制度の抜本的な改善などの意見を提出する立場にはございませんので、ご理解をお願いします。
なお、年金制度の抜本的な改善要望などについては、議会への請願や厚生労働省に直接、ご要望いただきますようお願いいたします。

(平成30年6月27日)
担当課 保険年金課・収税課・こども青少年課・保育課・福祉政策課・生活福祉課・障害福祉課・長寿福祉課・保健センター

 

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