王国植物だより(秋)

更新日:2023年12月27日

王国植物だより 秋

(注)種目の後の月の表示は見ごろの時期を表しています。

なお、原則としてそれぞれの草花の写真を撮影した時期を開花期(見ごろの時期)と見なしています。植物図鑑等で開花期として表記されている時期と異同がある場合や、撮影した時期以前から既に開花している場合もあります。また、その年によって開花状況が異なることや、開花しない場合もありますので、あくまでも参考としてご覧ください。

ツリフネソウ・キツリフネ(7月から10月ころ)

渓流や川のほとりといった湿地や水辺に好んで生える植物です。山野草ガーデンのラクウショウに沿った池の周囲に咲いています。花期の長い花で7月初旬から10月ころまで見ることができます。草丈は50センチ、茎が伸びると大人の身長ほどの大きさになります。花は多くは紅紫色で黄色の「キツリフネ」もあります。帆を架けた船をつりさげたように見えることからこの名がありますが、法螺貝にも見えるため、「ホラガイソウ」とも言います。ホウセンカの仲間でもあり、「ノホウセンカ(野鳳仙花)」、「カワラホウセンカ(河原鳳仙花)」の名前もあります。

ツリフネソウ
キツリフネ

ルリマツリモドキ(8月下旬~9月上旬)

ルリマツリモドキは中国原産の植物です。夏の終わりごろに、瑠璃色の美しい花をつけ、地面に横に広がっていくように咲きます。グラウンドカバー植物としても使われるようです。周囲に緑の多い時期なので、あまり目立たず、花は言われなければ気づかないほどの小ささですが、気品のあるたたずまいです。花仲間ガーデンの池の近くにあります。ブータンルリマツリという似た植物がありますが、それとの違いはブータンルリマツリの項目に詳細を譲ります。

ルリマツリモドキ

カリガネソウ(9月上旬)

カリガネソウは夏の終わりごろに山野草ガーデンで見ることができます。高さは軽く大人の背丈くらいになります。花の形は十字架のようで、てっぺんから雄しべが突き出ている特徴的な形をしています。これを雁に見立てて名付けられたとか。全体から何かをいぶしたような何とも表現しがたい独特の臭気を放ち、その花の形ともあいまって他の植物と見間違えることはまずないでしょう。

カリガネソウ
カリガネソウ

ネコノヒゲ(9月上旬)

ネコノヒゲはシソ科の植物で、長く伸びたしべの部分が文字通り猫のヒゲに似ることからこう呼ばれます。夏場にヒーリングガーデンで咲いています。暑い時期に咲く花ですが、「ヒゲ」に見える部分が目に涼やかな印象を与える面白い造形の花です。

ネコノヒゲ
ネコノヒゲ

オオモクゲンジ(9月上旬)

スモークツリーガーデンのちょっと小高い丘の頂上に堂々とたたずむ木。秋になると黄色い花をたくさんつける「オオモクゲンジ」です。「golden rain tree」の異名を持ち、その名の通り「黄金の雨」のような花を咲かせます。本州では日本海側を中心に寺院によく植えられているそうで、関東では比較的珍しい樹木かと思われます。とてもいい木です。

オオモクゲンジ
オオモクゲンジ

一つ一つの花をよく見ると、まるで「ひょっとこ」のようにおちょぼ口を突き出した形をしています。花期はあまり長くなく、10日あまりで終わってしまうので、注意してご覧ください。

オオモクゲンジの実

そして、この袋がオオモクゲンジの実です。フウセンカズラに似ています。最初は薄い緑色だったのが、だんだん紅く染まってくるのが面白いです。

オミナエシ・オトコエシ(7月上旬から9月中旬)

緑の王国のオミナエシは7月のあたまごろから咲いていますが、秋になったなと多くの人に感じさせる花のひとつがこの二種ではないでしょうか。秋の七草のひとつでもあるオミナエシは、日当たりの良い草原に自生しますが、現在では栽培品の方が多くなっているとか。昔は粟のご飯のことを「女飯」といい、黄色く細かい花が粟粒に見えたのでしょう。これがオンナメシ、オミナメシと発音がなまっていくうちに現在のオミナエシに定着したと言われています。繊細さを感じさせる黄色い小花をつけた茎が風にそよぐ様は風情があり、秋風の夕方に見ると心が和みます。 オトコエシはオミナエシと似た花姿ですが花色は白です。オミナエシに比べると大柄で男性的であること、またもち米のご飯を「オトコメシ」と呼んだことから、同じように発音が転化して「オトコエシ」になったとされています。 いずれの花も山野草ガーデン、花仲間ガーデン、フローラガーデンで見ることができます。

オミナエシ
オトコエシ

ナンバンギセル(9月初旬から中旬)

ススキやミョウガ、サトウキビに寄生して育つ性質を持つ植物です。物思いにふけっているようにうつむき加減に咲くために、古くは「オモイグサ」と呼ばれました。日本にパイプが渡来すると、それに似ていることからこの名前がつけられ、やがて正式名称となったようです。20センチほどの大きさに花柄が育ちます。花色は淡紅紫色、白があります。 花仲間ガーデンやスモークツリーガーデンのススキの下に生えます。

ナンバンギセル

下、ナンバンギセル(白)

ナンバンギセル(白)

ヒガンバナ(9月中旬から下旬)

かつては墓地に咲く花として、あまり好印象を持たれていなかったヒガンバナですが、最近ではその群生地として注目されるところも出てきました。緑の王国でも南門から入ってすぐ右手の緑地(下の写真)と、毎年米づくり体験を行う田んぼの脇に群れを作って毎年咲き乱れます。スモークツリーガーデンではあまり見慣れない白花のヒガンバナも見ることができます。

ヒガンバナ
シロバナヒガンバナ

なんとなく優雅で高貴な感じがします。(シロバナヒガンバナ)

田んぼ沿いにヒガンバナ

頭を垂れる稲穂にそれを見守るかかし、そしてヒガンバナ。まさに「日本の秋の原風景」ですね。ヒガンバナも花期は短く、こういった光景も10日程しか見られません。

ワラベノカンザシ

一見、小さめのヒガンバナに見えますが、こちらはヒガンバナの変種「ワラベノカンザシ」です。ヒガンバナは50センチほどの大きさになりますが、こちらのワラベノカンザシはせいぜいその半分ほどの大きさで、写真でもわかるように色素が薄いのが特徴です。

ワラベノカンザシ

今年(2023年)、稲刈りを終えた後の田んぼのあぜで見つけました。ワラベノカンザシは、除草剤の影響によって生まれた変種ではないかと言われているそうで、なるほど色が薄いのもそのせいかと納得もいきますが、緑の王国の田んぼ周囲では除草剤は使わないので、なぜ出てきたのかはよく分かりません。分布範囲もはっきりわかっておらず、案外見つけるとラッキー(?)な花かもしれません。もっとも今まで気づいていなかっただけで、毎年ヒガンバナに混じってひっそり咲いていた可能性も高いと思われます。

キレンゲショウマ(8月から9月上旬)

「夏」のところで紹介したレンゲショウマと似ていることからこう呼ばれています。しかし、実際はキレンゲショウマはアジサイ科、レンゲショウマはキンポウゲ科と、科目も違う別の花です。もともと高山植物なので、平地で見られるのは珍しいとか。

キレンゲショウマ
キレンゲショウマ

シモバシラ(9月)

シモバシラは木陰に好んで生える70センチほどの大きさに育つ野草です。9月半ばごろに、白い小花をたくさんつけます。涼やかな風情があって目立たないながらも美しい花ですが、この植物が注目すべき姿を見せるのは花が終わった後の冬。 たいていの植物は花が終わると茎も枯れてしまいますが、シモバシラの茎は枯れているように見えても花があったときのように水を吸い続けています。そして吸い上げられた水が氷点下となった外気温に冷却されると、二つ下の写真のように茎の周りに雪の塊のような「シモバシラ」をつけるのです。手に取りよく見ると、バウムクーヘンのように幾重にも層を成した氷の面の堆積であることがわかります。この姿はおおよそ12月中旬から1月初旬ころ、1年で最も寒い時期の午前中に見ることができます。

シモバシラ
シモバシラ

シモバシラの茎につく氷塊

シモバシラの氷
シモバシラの氷
シモバシラの氷

シモバシラにつく氷の接写写真

センニンソウ(9月中旬)

ラクウショウの森からフローラガーデンの入り口に入るフェンスに絡みついています。涼やかに垂れ下がる白い花は、「一体、何の花なんだろう?」と思わせます。昔は生葉を揉んで、扁桃腺の治療薬として用いられたそうです。

センニンソウ
センニンソウ

シオン(9月中旬から下旬)

シオン(紫苑)は平安時代から栽培されている花ですが、在来種は希少で、九州・四国地方にわずか残るだけです。2メートルほどの大きさにまで育ち、遠くからでも淡い紫色の塊が目につきます。薬草として、根を煎じて咳止め薬として用いるそうです。メディカルガーデンにあります。9月の終わりごろ、毎年台風のやってくる頃にもっともよく咲きますが、根がしっかりしているので風雨に負けることはありません。

シオン
シオン

シュウメイギク(9月下旬)

シュウメイギク
シュウメイギク

漢字では「秋明菊」。京都、貴船地方に多く咲くため、キフネギクとも呼ばれます。高さは70センチほどにも育ち、山野に自生します。花のように見える部分は「がく片」ですが、これが菊に見えるためシュウメイギクなどと呼ばれます。実際には分類上ではキンポウゲ科で、アネモネの仲間です。英語名はずばり「Japanese Anemone」ですが、中国由来とされます。神社や寺院に植えられることも多く、薄桃色からピンク、白など様々な色が楽しめます。

ワレモコウ(9月下旬)

ワレモコウ(吾亦紅)はバラ科の多年草です。高さは100センチほどにもなります。秋のはじめに、卵型の小さい花をつけます。花弁のないマイクのような形をしたとても地味な花ですが、生け花に使われることが多く、奥深い魅力を持った植物です。

吾亦紅
吾亦紅

ステルンベルギア(9月下旬)

ステルンベルギアはクロッカスのような花を咲かせる球根植物です。黄色い花が陽を受けて輝く様子はとてもきれいで、花が少なくなってくる時期だけに注目を集めます。花仲間ガーデンにあります。

ステルンベルギア
ステルンベルギア

アサマフウロ(9月下旬)

アサマフウロは高原の湿地を好む多年草です。浅間山にちなんだ名前を持ち、晩夏のころに濃いめのピンクの花を咲かせます。緑の王国では、特に山野草ガーデンで群落のように大量に咲いているのが楽しめます。

アサマフウロ
アサマフウロ

キンモクセイとギンモクセイ(9月下旬)

9月の終わりから10月に差し掛かる頃にどこからともなく匂ってくる芳香。キンモクセイ(ギンモクセイ)ですね。一日中匂いを感じますが、咲く期間は案外長くはなく、気づいたころにはもう終わっています。非常に一般的な樹木なので、わざわざ紹介するまでもない感じもしますが、紛れもない秋の香りです。

キンモクセイ

キンモクセイ

ギンモクセイ

ギンモクセイ

キンモクセイとギンモクセイ

右側のやや背の低いのがギンモクセイ。左側がキンモクセイです。

アキチョウジ・セキヤノアキチョウジ(10月上旬)

アキチョウジとセキヤノアキチョウジはとても似た品種であり、素人には中々見分けがつきません。いずれにせよいい色をした美しい花なのですが、見分けにこだわり始めると沼にはまったような気持ちになります。 アキチョウジは葉が丸っこく、花柄(茎と花をつなぐ部分)が短く、花が茎に沿って一方向につくという特徴を持ちます。関西以西に多いそうです。 セキヤノアキチョウジは関東地方に多く、葉が細長い、花柄がアキチョウジに比べると長い、花がまばらに全体に広がるように咲くという特徴を持つそうです。緑の王国の園内ではフローラガーデンと花仲間ガーデンの2か所にこの花が咲いています。おそらくフローラガーデンにあるのはアキチョウジで、花仲間ガーデンにもアキチョウジらしきがありますが、ところどころセキヤノアキチョウジも見られるという印象で断定は困難です。一般的に関東地方はセキヤノアキチョウジが多いそうなので、全部それかもしれません。我こそは見分けたり、と自信のある方はぜひ開花時期にお越しください。 (下の写真)葉が細長く、花柄も長く見えるのでセキヤノアキチョウジでしょうか。撮影場所は失念。

アキチョウジ
アキチョウジ

花の付き方が一方向ではなく、花柄も長いのでセキヤノアキチョウジか?

アキチョウジ

茎に沿って一列に咲いているのでアキチョウジ?ただこの花柄は短いといえるのかどうか。

アキチョウジ

これはアキチョウジではないでしょうか。正直きれいに咲いていればそれでいいのですが。

キク各種(10月下旬から)

あまり背丈のある花ではないので目立ちませんが、山野草ガーデンを中心にキクも多くの種類が植えられています。ふと足元に目を落とすと咲いている姿に秋を感じます。(下の写真はダルマギク)

ダルマギク
ハマギク

ハマギク

アワコガネギク

アワコガネギク

ノコンギク

ノコンギク

白菊

王国通りの南側に咲く白いキク

オオカッコウアザミ(10月中旬)

オオカッコウアザミ

紫色のふわふわした花をつけるこの花は、アゲラタムという学名でも流通しているオオカッコウアザミです。この写真を撮ったのが10月半ばなのでこの時期に分類しましたが、初夏の頃からすでに咲いていたので、おそらく4~5か月程度花を保っていると思われます。高さは1メートルを超えるくらいに成長します。よく殖える植物のようで、花仲間ガーデンやフローラガーデンでは毎年列をなして咲いているのが見られます。

キイジョウロウホトトギス(10月中旬から下旬)

キイジョウロウホトトギス

ジョウロウホトトギスに似ており、紀伊山地に由来するため、この名で呼ばれます。黄色い艶のある花で、花弁の中はホトトギスの花のように、細かく斑を散らした模様をしています。一般にジョウロウホトトギスの仲間は咲かせるまでが難しいものが多いそうですが、本種は比較的育てやすいとされています。「山里の貴婦人」、「黄色の貴婦人」と呼ばれ親しまれ、シーズンには多くの人が訪れる群生地もあります。ジョウロウは「上臈」と書き、高貴な貴婦人を意味する言葉です。

キイジョウロウホトトギス

ツワブキ(10月下旬から11月上旬)

秋の終わりから冬の始めにかけてひっそりと咲く丸い黄色い花。ツワブキです。「艶ブキ」、「厚葉ブキ」がなまってこう呼ばれるようになったと言われています。茎を「キャラブキ」に加工して食べることもあります。夏に睡蓮が咲く山野草ガーデンの橋の傍に咲くものと、メディカルガーデンに咲くものがあります。

ツワブキ
ツワブキ

メディカルガーデンに咲くツワブキ

ダリア各種(10月下旬から11月上旬)

晩秋の時期にフローラガーデンを中心に様々なダリアを見ることができます。 黄色や白など色が豊富で、特に目立つのが下の写真、皇帝ダリアの仲間、フローラガーデンに咲く「ダリア・ガッツァリア」です。2メートル近くの大きさになり、青空を背景に写真に撮るととても引き立ちます。

ダリア・ガッツァリア
ダリア
ダリア
ダリア
ダリア・ガッツァリア

ネリネ(10月下旬)

あまり花が見られなくなる時期にもかかわらず、鮮やかなピンク色の花で人目を引くのがヒガンバナ科のネリネです。彼岸花に似た感じですが線香花火のように全方位に向かってはじけるような咲き方をします。花期も長く1か月ほど見ることができます。花仲間ガーデンの池のほとりに咲いています。

ネリネ
ネリネ

メタセコイアのつぼみ(10月下旬)

花ではありませんがあまり見られないので取り上げます。10月の終わりごろに正門付近からメタセコイアやラクウショウの生えている森の方を見ると、一本の木だけが雪を積もらせたように白く変化しています。これはメタセコイアがつぼみをつけている様子です。ブドウの房のように地面に向かって垂れ下がっています。白く見えるのは大体2週間程度で、その後茶色く変色してあまり目立たなくなります。この状態のまま年を越し、翌年3月頃に花を咲かせますが、とても小さいため気づくことは稀でしょう。つぼみの方が際立つというのもちょっと珍しいと思われます。

メタセコイアのつぼみ
メタセコイアのつぼみ

中央がメタセコイア。雪化粧のようです。

メタセコイアのつぼみ
メタセコイアのつぼみ

つぼみを近くで見るとこんな感じ。一つ一つのつぼみは小さいが、全部が固まると思いもかけぬきれいな光景になります。

クレマチス「ジングルベル」(10月下旬)

クレマチスの大半は初夏から夏にかけて咲きますが、この「ジングルベル」という種類は晩秋から冬にかけて咲きます。下を向いて咲く性質があり、「ベル咲き」と呼ばれます。文字通り鈴のようにも見えます。10月下旬からこの鈴のような白い花をたくさんつけ、年明けまで咲いています。だんだん時間が経つにつれて、花弁が散り、中のしべが外に広がっていって、バドミントンのシャトルのような面白い形になります。クレマチスのガゼボに絡みついており、見上げるほどの大きさです。

クレマチスジングルベル
クレマチスジングルベル

2メートル近いガゼボに絡みついています。

クレマチスジングルベル

12月ごろになると花弁が散り始め、しべの部分が三角形に開いてシャトル状になります。

クレマチスジングルベル

ブータンルリマツリ(11月上旬)

このページの最初に「ルリマツリモドキ」を紹介しましたが、こちらは仲間のブータンルリマツリです。ルリマツリモドキと同じく9月頃にはすでに咲いていますが、ブータンルリマツリは耐寒性が強いようで、12月半ばになってもまだ咲いています。ブータンの名前がつくことから、高山地帯がふるさとなのでしょう。寒さに強いのもなるほどと思わされます。ルリマツリモドキに比べると、花の色はやや薄く、大人の腰くらいまでの高さに成長します。茶色い茎には細かい毛が生えています。ルリマツリモドキは基本的に地面を這っていく植物なので、この点はブータンルリマツリとの明らかな違いです。

ブータンルリマツリ
ブータンルリマツリ

1枚目は8月24日撮影。2枚目は11月4日撮影。12月頃になるとさすがに花が小さくなってくるように見えます。

キチジョウソウ(11月上旬)

花仲間ガーデンの池の周りにはヤブランに似た冬でも青々としている細い葉が櫛比していますが、これはキチジョウソウ(吉祥草)です。ユリ科の多年草で、水気のある場所を好みます。そのヤブランに似た葉はキチジョウソウの葉で、花を軽く越して30センチほどの大きさになります。キチジョウソウの花は11月上旬頃に咲きます。淡い紫色をした中心の軸のような部分から、長くしべを伸ばした白い小花を無数につけます。中国では良いことの前触れに咲くとされることから「吉祥草」と呼ばれるそうです。足元の葉っぱの中でひっそりと咲いているので気づかれにくい花ですが、どこか水引を思わせる色合いを持った縁起の良さそうな花、という感じがします。

キチジョウソウ
キチジョウソウ

マユミの実(11月中旬)

マユミ(檀)はニシキギ科の落葉小高木です。3メートル近い大きさに成長します。花は小さいものですが、11月半ば頃駄菓子の小粒の餅菓子に似たピンク色の実を鈴なりにつけます。この実の中に爪の先ほどの赤い種が入っています。葉がすべて散った後も実はそのまま残り、特に青空を背景に見るととても美しいのです。盆栽にも使われるとか。ちなみに「マユミ」という名前はかつて枝で弓を作ったことから来ているそうです。

マユミの実

カンアオイとウスバサイシン(11月下旬から3月頃)

山野草の中でも秋から冬にかけひっそりと咲いている2つを取り上げます。カンアオイ(下の写真)は野山に咲く山野草で、地面に接地して咲く褐色の花が特徴的です。花弁に見えますが、これががくの一部とのことです。緑色の葉がアオイに見えることが名前の由来です。ウスバサイシンはカンアオイの中まで、花もそっくりですが、カンアオイに比べると、がくの一部の部分がやや小さく、全体的に壺のような形に見えます。葉は細長いハート型で艶があります。

カンアオイ
カンアオイ

カンアオイの葉とカンアオイ

ウスバサイシン

ウスバサイシン 3月下旬

ウスバサイシン

ウスバサイシン

王国の紅葉(11月中旬から12月上旬)

カエデ通りのホタルの小川(下の写真)、ふかや村にはカエデやモミジが植えられ、晩秋から初冬にかけて赤や黄色に色づき、見る人の目を楽しませ、癒してくれます。(5月ごろに既に赤くなる種類もありますが)この時期はラクウショウもオレンジ色に染まり、夕焼けの光を浴びて燃えるように輝く光景には言葉を失うほどの素直な感動があります。

ホタルの小川の紅葉
モミジ

赤く染まった葉とまだ緑のままの葉が重なり合う。

ふかや村のモミジ

ふかや村と防風林の境にあるモミジ。夜露や雨に打たれたあと、朝日を浴びて艶やかに輝く光景がとてもきれいです。

ホタルの小川木道

ホタルの小川木道に散る落ち葉

ラクウショウの夕暮れ
夕暮れのラクウショウ

夕暮れのラクウショウ。黄昏という感じがします。

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